HomePadのファームウェアで明らかになった10の次世代【iPhone 8】仕様まとめ

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もしあなたが7年前の2010年に、Appleの未発表の新製品について興味があったら、当時iPhone 4のプロトタイプがAppleの従業員が置き忘れたことによってメディアにリークされてしまったあの事件についてまだ覚えていることでしょう。当時、iPhone 4が正式に発表・発売される2ヶ月前に、このプロトタイプの端末が暴露されてしまったのですが、その端末にはFaceTimeやRetinaディスプレイ、そして全く新しい設計(実は初代iPhoneの開発の際に設計・検討されたプロトタイプ”Sandwich”を世代を超えて実現したものだったのですが)について、当時その端末を発見者から買い取ったGizmodoが研究し尽くして発表してしまったのでした(当時のCEO、スティーブ・ジョブズの怒りを買ったGizmodoは、その後数年間公式の発表イベントに招待されないという憂き目に遭うことになります)。

しかし、実は先日も同じようなことが発生してしまいました。当然、次世代iPhoneと噂されている【iPhone 8(仮称。iPhone Edition、iPhone X、iPhone Proとも)】のプロトタイプがカリフォルニア州のどこぞのバーで見つかったわけではありません。しかし大量の次世代iPhoneの仕様に関する情報が、Appleのちょっと不注意なエンジニアによって暴露されてしまったのです。

先週、6月頭にWWDC17基調講演で発表されて年末に発売予定のスマートホームスピーカー、【HomePod】のファームウェアのプレビュー版がAppleのエンジニアの不注意によってアップロードされ、それをデベロッパが発見してダウンロードし、その中身を分析・研究しました。その後、このファームウェアの中には次世代iPhoneやApple Watch、そしてApple TVなどのまだ発売されていない新デバイスの仕様の情報がてんこ盛りであったことが判明したのです。

恐らく最も関心が高いと思われる次世代iPhone【iPhone 8】(一部【iPhone 7s/7s Plus】)のHomePodファームウェア及びその他のこれまでの情報で明らかになった重要な仕様について、MacWorldが10のポイントにまとめているので、意訳しつつ紹介したいと思います。

 

1.iPhone 8はベゼルが更に狭くなる

iPhone8_icon

もし例年通りであれば、今年はiPhoneの”s”がつくアップデートの年となります。しかし【iPhone 8(仮称)】の発表があるとすれば、この製品は従来のiPhoneとは一線を画すデザインとなるということはもとから噂されていました。そしてAppleはHomePodのファームウェアの中で、この新製品が、順当なアップデート製品であると思われるiPhone 7s/7s Plusと大きく異なることを認めているも同然であることが判明しています。

iOSデベロッパのスティーヴン・トロートン・スミス(Steven Troughton-Smith)氏がTwitterで、HomePodファームウェアから発見したアイコンによって、iPhone 8ではフロントに全面ディスプレイを採用し、物理ホームボタンが廃止になることが判明しています。アイコンからは詳細な仕様や設計はうかがうことはできませんが、全体的にはLG G6に似ていて、更にベゼルが狭いということがいえるかと思われます。

 

2.iPhone 8ではフロントカメラ(FaceTimeカメラ)やセンサー等の部分はディスプレイから独立して存在する

Essential
Essential

新型iPhone【iPhone 8】のフロントの上の部分には、カメラやセンサーなどを搭載するためにまるで”前髪”のように一部が残されていてそこにはディスプレイ表示がされないようになっているとみられ、またHomePodファームウェアのアイコンでそれが証明されました。Androidの作者、Andy RubinがリリースしているEssentialでも似たようなデザイン理念を見ることができますが、Appleのデザインの方がより目を惹くといえるでしょう。

Troughton-Smith氏がHomePodファームウェアから発見した証拠によれば、新型iPhoneではiOSのステータスバーはこの”前髪”部分の左右にわかれて配置され、片側には電波状況(携帯電波とWi-Fi)、そしてもう片方にはバッテリーの状態などが表示されるものと思われます。またTroughton-Smith氏は、新しく設計されたステータスバーは更に複雑で機能が強化され、インタラクティブが強化されるとしています。

 

3.iPhone 8はディスプレイ解像度が更に高くなる

iPhone8-OLED

iPhone 4によってRetinaディスプレイ(網膜ディスプレイ)が導入されてから、Appleの製品にはMacBook AirやiPad miniなどの一部の廉価版製品を除いて、基本的にはRetinaディスプレイが標準装備されるようになりました。そして今年のiPhoneは更にディスプレイ解像度が向上する可能性が高くなりました。

Troughton-Smith氏がHomePodファームウェアのコードから、新型iPhoneの端末の解像度が1125×2436で、ピクセル密度は521ppiというデータを発見しました。現行最新のiPhone 7とiPhone 7 Plusの解像度が750×1334と1080×1920であることを鑑みると、新型iPhoneの解像度は確かにかなり向上していることになります。

 

4.iPhone 8ではARを重視

iPhone8_AR

AppleがiPhoneでAR機能を強化することは、もう間違いないガチな事実です。AppleのARKitは今年6月頭に行われたWWDCでデベロッパ向けに公開され、既に多くのデベロッパがこの新しいプラットフォームを使用して面白いものを作り始めており、Apple自身も更に大きなAR計画を持っていることは明らかですが、ただAppleはiPhone 8によってその潜在能力を完全に解放するのではないかと見られていました。

巷ではAppleがiPhone 8において3Dレーザーシステムの導入や被写体深度センサーの強化について伝えられてきましたが、Troughton-Smith氏がHomePodファームウェアの中で”ARFaceAnchor”とそれに関わるコードを発見したことから、AppleはやはりiPhone 8だけに特化したAR機能をアピールしてくるのではないかとみられます。

 

5.iPhone 8ではTouch IDがなくなり、これからはFace ID(Pearl ID)の時代に?

iPhone8_3D-Face-sensor

これまでの噂ではiPhone 8には指紋認証のTouch IDが搭載されないという情報もありました。Troughton-SmithによるHomePodファームウェアの研究によって、それが一部証明されたことになります。彼はファームウェアコードの中で、ディスプレイの中に仕込まれたTouch IDに対する”超音波”によるアクセスについては一切記述がなく、BioMetricKitフレームワークの中に”BKFaceDetect”という記述を見つけました。これは、新型デバイスの中に新しいロック解除用システムが加わることを意味します。つまりこれは顔認証が導入され、指紋認証は搭載されないということでもあります。

Troughton-Smith氏は更に、新システムコード”Pearl ID”では、複数の顔の登録が可能になっていることや、赤外線センサーによる識別が導入され、それによって環境光が弱い状況でも顔識別の正確さを高めることを発見しています。またその他にも、”passbook.payment.contactlessinterface”というコードが証明するとおり、顔認識の”Pearl ID”がApple Payの支払のための認証として使用されることも判明しています。

 

6.タップによるスリープ解除機能

SmartTap-main

【iPhone 8】ではフロントから物理ホームボタンがなくなることから、ユーザはこれまでのようにホームボタンによるスリープ解除が不便になると思われます。しかしAppleはそのことについても代案を考えているようで、HomePodファームウェアのコードの中に、iPhoneが”タップによるスリープ解除(Tap to wake)”機能が追加されるという記述があることがわかっています。ユーザはiPhoneの画面上をタップ、或いはダブルタップすることでデバイスのスリープ状態を解除可能になるのです。もちろん、この機能は既に多くのAndroidデバイスや、iOS脱獄Tweakで実現されていることなのですが(顔認証自体もサムスンのAndroidデバイスが実現しています)。

ただ、タップやダブルタップでロック解除までされてしまうと当然デバイスのセキュリティの問題があるため、タップによるスリープ解除後に顔認証をしてロック解除、ということになるのではないかと思われます。

 

7.バーチャルホームボタン

iphone-8_concept
iPhone 8 コンセプト画像

【iPhone 8】から物理ホームボタンを廃止することで、Appleは恐らくバーチャルホームボタンを追加するのではないかといわれてきました。そしてTroughton-Smith氏がHomePodファームウェアのコードから”ホームインディケーター(home indicator)”を発見し、これはユーザが必要なときだけ出現するとなっています。つまり、これがバーチャルホームボタンではないかと思われるのです。

またこれまでの噂の”ファンクションエリア”についてもあながち根も葉もない噂でもなさそうで、5.8インチのディスプレイの中で、Appleはアプリに対して5.15インチしか残しておらず、残りはファンクションエリアとなり、そこにボタンやショートカットアイコンが置けるようになると思われます。

 

8.3種類の新型iPhoneがリリースされる、発売時期は9月30日以前?

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HomePodファームウェアでは、【iPhone 8】の開発コードは”D22″で、このコードはもちろんAppleが適当に名付けたものではありません。iPhone 7とiPhone 7 Plusはそれぞれ”D10″と”D11″であることが判明しており、iPhone 7sと7s Plusはそれぞれ”D20″と”D21″で、iPhone 8はその次の”D22″であるとみられます。つまり、未発売デバイスが3種類あることになり、今年はやはり3種類のデバイスがリリースされるのは間違いなさそうだとみることができます。

ちなみに、iPhone 6とiPhone 6 Plusの開発コードは”N60″と”N61″で、iPhone 6sとiPhone 6s Plusの開発コードは”N70″と”N71″でした。

またAppleは会計年度2017Q3の財務報告の際に、次の四半期(2017Q4)の業績(売上)予測を490億〜520億ドルと設定しており、昨年同期の469億ドルの実績に比べずいぶんと強気なものになっています。つまりこれは、Appleが上記3種類の製品を9月30日前に全て市場に投入するという自信を表しているものととらえることもできます。

【iPhone 8】は製造段階での歩留まりなどの関係から発売が遅れるという噂もありますが、Appleが【iPhone 7s】と【iPhone 7s Plus】のみでそこまで強気な予測をすることは考えにくいことから、【iPhone 8】の生産を何とか間に合わせる可能性が高まってきました(なお、発売時期に関してはHomePodファームウェアとは関係ありません。少々脱線しました)。

 

9.iPhone 8にはワイヤレス充電と急速充電が実現

iPhone8_Xray_photo

【iPhone 8】にはワイヤレス充電機能が追加されるという噂がまことしやかに流れていますが、これまで我々はAppleが確かに新しい充電システムを開発していることは特許の申請などから明らかになっていました。そして今では2つのヒントがあります。1つはiPhone 8の新しいバッテリー規格です。RedditのユーザがHomePodのコードの中に、”センサー式充電”や”高压”等のワイヤレス充電や急速充電に関する記述があることを発見しています。つまり、【iPhone 8】ではこれらの機能が搭載されるのは間違いなさそうです。

また昨日リークされた内部X線写真でも、ワイヤレス充電機能のためとみられるコイル部品(黒い楕円形)がみられることから、【iPhone 8】においてワイヤレス充電機能は実現されるのではないかとみられています。

ただし、これまでの報道ではソフトウェア(iOS)でのワイヤレス充電のコントロールの開発が遅れており、ハードウェアのリリース後にiOS 11.1などのマイナーアップデートの際にワイヤレス充電機能が実現するという情報もあります。

また急速充電については、採用される部品からもハードウェア的に実現可能という情報もあります。

 

10.カメラが更に賢くなる

iphone8_rendered

iPhoneのカメラのデザインについては、それほど特別なものではありません。【iPhone 8】では縦長のデュアルレンズカメラの配置になると思われますが、それ自体も特に珍しいものではありません。それよりも、HomePodファームウェアの中でどのくらいカメラの性能のアップグレードがあるかの方に注目が集まっています。

開発者のGuilherme RamboがHomePodファームウェアの中から発見した”SmartCam”モードのところに、仕様に関する記述があることがわかっています。それによれば、次世代iPhoneではカメラがユーザの周囲の環境をセンサーで感知し、露出やフォーカスやホワイトバランスなどを自動的に調整するという機能が追加されるようです。またこの機能では自動的に場景を判断して撮影モードを切り替える機能があるようで、例えばBaby、Bright Stage、Document、Fireworks、Foliageなどのモードがあるようです。もしこれらの機能にゴーサインが出た場合は、撮影モードが更に大きく改善・更新されるものとみられ、もし【iPhone 8】発売当初のiOS 11でそれがすぐに実現されなくとも、iOSのバージョンアップでそれらが実現する可能性もあります。

 

小龍的にはこう思った

さて、上記の通りHomePodプレビュー版ファームウェアの分析によって得られたいくつかのデータによって、次世代iPhoneの機能が明らかになってきました。

【iPhone 8】も量産に入ったということで、今後は部品や実機のリークなども出てくるかもしれませんね。。楽しみです。

記事は以上です。

(記事情報元:MacWorld

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