Apple Watchの2018Q1の世界販売台数シェアは18%、売上額では全体の59%を占める

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LTEをサポートしたセルラー版Apple Watch Series 3が9月にリリースされて以来、Apple Watchはスマートウォッチ市場を主導しており、Appleは既に世界で最大の腕時計メーカーにまでのし上がっています。本日、マーケティングリサーチ会社のCanalysがレポートを発表し、Apple Watchが2018年Q1(第一四半期)で世界のスマートフォン市場の中でも59%の販売額シェアを占めるという調査結果を発表しています。

Apple Watch Series 3

Canalysのシニア・アナリストのJason Low氏によると、Apple Watch Series 3の成功の鍵はやはり単独でLTEパケット通信ネットワークをサポートしたことで、ユーザがいつでもネットに繋げることだとしています。そして携帯キャリアも、Apple Watch Series 3によってもたらされた意外なハードウェアとSIMカードの契約料の収入を歓迎しています(日本を含む多くの国で、Apple Watch Series 3は携帯キャリアによって販売されているからです)。というわけで、2018年に入ってからも、Apple Watchの売上は毎月伸びている状況です。

更にCanalysは、Apple Watch Series 3 セルラー版が大ヒットしている理由として、Appleはスマートウォッチやスマートバンド市場にハイエンド製品が存在しておらず、Android WearにもAppleの競争相手たり得る製品が殆ど存在しないという状況を利用したことを挙げています。Androidスマートウォッチの中でも、単独でのLTEパケット通信をサポートしているのはLG Watch Sport、LG Watch Urbane、Huawei Watch 2など、いくつかの製品しか存在しておらず、またサードパーティ製のアプリもほぼ皆無であることも、Appleの快進撃を止められない原因として挙げられます。もしGoogleがPixel Watchを出したとしたら、もしかしたらAppleと戦えるようになるかもしれませんが、現在のところ具体的な情報はありません。

Apple Watchの販売台数については、CanalysはWi-Fi版(セルラー版ではない方)も一緒に計算に入れたとすると、2018年Q1で380万台に達したとみており、この数字は最も売れたウェアラブルデバイスということになります。数量だけを見ると、2〜5位の他のメーカーの製品もApple Watchとの販売台数はそれほど大きな差は開けられていないものの、2位〜5位までは全て非常に単価が安いスマートバンドであるため、その売上には大きな開きがあります。例えばシャオミ(Xiaomi、小米)を見てみると、彼らの2018年Q1のウェアラブルデバイスの出荷台数は370万台ですが、そのうち90%は1500円程度のmi bandだったりします。

Canalys_Report_Apple-Watch_SmartWatch_2018Q1

それに比べると、Apple Watchは最も安価だった初代の販売価格でさえ249ドル(約27,000円、Sport=一番安いモデル)で、Apple Watch Series 3は更に高くなって399ドル(約43,600円、Sport=一番安いモデル)にもなっています。というわけで、Appleは世界でもたった18%の販売台数シェアですが、この市場全体の59%の売上シェアを占めていることになります。これは以前のiPhoneの状況を思い起こさせる数字だといえるでしょう。

そして上のグラフでは、利益シェアでもスマートウォッチの利益が80%を占めるとなっており、そのうちのApple Watchが占める割合については明らかではありませんが、他社の製品がApple Watchほど売れていないことを考えると、ウェアラブルデバイスの利益の殆どをAppleが占めていると言うことがいえそうです。

AppleはこれまでずっとApple Watchの販売成績をApple TV、AirPods、Beats、iPodやHomePodなどの製品と一緒に”その他の製品”カテゴリに入れて発表してきているため、公式の具体的な販売台数についてはわかっていません。しかし今年5月1日の会計レポートの中で、ティム・クック(Tim Cook)CEOはApple Watchが販売の新記録を打ち立てたと発表しており、またかつてマーケティングリサーチ会社のIDCはApple Watchの出荷台数がスイスの腕時計メーカーによる全ての出荷台数の合計を超えたことを発表しています。そして今回のようなCanalysのマーケティングレポートが発表されたことから、AppleによるApple Watchの販売は正しい判断だったといえるかもしれません。

Apple Watchは、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が関わっていない、ジョブズの後を継いだクックCEOによる初めてのジャンルのプロダクトだといわれています。もちろん現在のiPhoneの一四半期で数千万台という派手な数字には及ばないため影に隠れていますが、業界全体を見るととんでもない数を売り上げていることがわかります。

私自身は殆どiPhoneを常に携帯しているためにApple Watch Series 3のLTEサポート版(セルラー版)にはあまり興味がありませんが、屋外でランニングをすることが多い人などは単独で使えるApple Watchは重宝するのでしょうね。今後デザインが一新され、バッテリーの持ちが改善されたら、Apple Watch Series 2から新しいものに買い替えたいと思いますが、今のところ私はこれで満足しています。

記事は以上です。

(記事情報元:Canalys via Patently Apple

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