ひっかき傷に対して強い耐性を持つサファイアガラス。Apple WatchのWatch版(無印版)以上に採用されているが、そのサファイアガラスは世界最大の人工サファイアメーカーの1つであるロシアのMonocrystal(モノクリスタル)社によって製造されていることがわかった。
Sputnik Newsによれば、Monocrystal社の2014年の年間収入は8700万米ドル(約107億8000万円)で、しかもこれはサファイア製造のみによる収益だという。昨年の石油価格暴落やウクライナ侵攻による各国からの経済制裁に伴うロシア通貨ルーブルの急落が、結果的にMonocrystal社の競争力をあげたことが原因で、Appleによって採用となったようだ。
Monocrystal社でどれだけのウエハーが製造されAppleに献上されたかは不明だが、他の複数の腕時計メーカーにも支給されていたようだ。
AppleはApple Watchの販売状況について公開していない。成功だと叫ぶ割には販売個数さえ公表されないということは、もしかしたら赤字になっている可能性もある。アナリストは今年6月中旬あたりのApple Watchの販売個数はだいたい200万台から420万台ではないかと見積もっている。
Appleのかつてのサファイアガラスのメーカーはアリゾナ州メサに工場を持つGT Advancedだった。しかしAppleに依頼しすぎたためか、Appleの品質要求に応えられずGT Advancedは破産し、事後処理についてはまだ法廷で争われているところだ。
画蛇添足 One more thing…
ロシア経済の低迷、ルーブルの暴落がまさかAppleにとっていい条件でサファイアガラスを手に入れられる事に繋がるとは、正に風が吹けば桶屋が儲かるといったところだろうか。しかし今後ルーブルがまた盛り返してきたら、Appleは複数社購買などをして、有利なところから購入するのだろう。購買なんてのはそんなものだ。
しかし私自身もサファイアガラスのApple Watchを持っているが、今まじまじとApple Watchを見ながら、そうか君はロシアから来たのか。。ずいぶん遠いところから色々大変だったなあ、お疲れさま、と言いたいような気分になった。
さて、新たに安定したサファイアガラスが手に入るようになったApple、今後各デバイスにサファイアガラスを採用していくのだろうか?特に、iPhone、iPad等モバイルデバイスのディスプレイには、ひっかき傷耐性のあるサファイアガラスはもってこいだ。しかし個人的には正直サファイアガラスの採用でこれ以上単価があがらないかどうか、心配なところだが。。
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(記事情報元:Apple Insider)