Apple、自社でiPhone用ベースバンドモデムチップ開発中の証拠が見つかる

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ここ数年間で、Appleはチップ部品の開発と自社製品への使用を進めてきました。先月、Appleが現在係争中のクアルコム(Qualcomm)の本拠地であるサンチアゴで積極的にエンジニアを募集しており、iPhoneのワイヤレスモジュールとプロセッサの開発が目的ではないかといわれていました。そしてThe Informationの本日の報道によると、Appleは確かにモデムチップ(ベースバンドチップ)を開発しているということです。

iPhone XS Max/iPhone XS Palmo GL

The Informationがキャッチしたのは、Appleの人材募集案件でした。またもAppleサンチアゴ支社及びサンタクララ支社において、今度はモバイル用ベースバンドモデムシステム(layer 1 cellular PHY chip)のアーキテクチャエンジニアをそれぞれ1名ずつ募集していると明記されているということで、これは間違いなくAppleはiPhoneの中でもSoCに次ぐ複雑で高価なベースバンドモデムチップを自社開発していることの動かぬ証拠となります。

The Informationは更に、Appleのベースバンドモデムチップの計画に詳しい人物からの情報として、Apple社内でモデムチップ開発プロジェクトが進行中であることを聞き出しています。ただ、AppleがiPhoneやその他の自社デバイスに自社開発のモデムチップを搭載するレベルに至るまでにはあと3年かかるということです。

Appleとクアルコムの特許を巡る裁判と係争関係は続いています。両者の矛盾が爆発した後、AppleはiPhoneでクアルコムのベースバンドモデムチップの採用を停止し、インテル(Intel)のチップを使い始めました。ただ、インテルのモデムチップの性能はクアルコムよりも劣っていることから、そのことについて疑問を投げかける批評家が多くいたのも事実です。

サプライヤーとの複雑な関係の改善と品質・開発進度・ロードマップコントロールができるようになる他に、Appleが自社でモデムチップを開発するもう1つの利点として、その他のAppleデバイスとの統合が容易になるという面があります。以前当ブログでもお伝えした通り、Appleは早くて2020年にMac用のメインチップを自社開発して搭載するとされています。

AppleはiPhone、iPad、Apple Watchシリーズでも自社のモデムチップを搭載するようになると、根幹部分は殆ど自社製のチップということになります。現行のApple WatchやAirPodsに搭載差入れているWシリーズワイヤレスチップも、Apple製品同士をシームレスに接続するのに役立っています。

今後電源管理チップやGPUまで自社開発することができるようになれば、Appleはほぼ他社に頼ることなく重要な機能が自社のペースでコントロールできるようになり、よりイノベーティブな製品を他社に先駆けてリリースできるようになるかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:The Verge

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