Bloombergによると、Apple社は7月1日から施行されている、抗議行動を犯罪とみなすことに懸念を引き起こしている、新しい香港の「国家安全法」について、現在「評価」中だと述べています。
Apple社は上記の国家安全法施行以来、香港政府によるユーザデータのリクエストは1件も受け取っていないとしていて、また政府からのリクエストは直接受け取ることはないと述べているようです。
「Appleは常に、香港の地元の法執行当局からのすべてのコンテンツ開示要求が、米国と香港の間で施行されている相互法的援助条約を通じて提出されることを要求してきました」と同社は述べています。そしてその過程で、米国司法省が香港当局の法的適合の要求を検討することも要求しています。
昨日、Google/Twitter/Facebookを含む他のハイテク企業は、まだ新しい法律について評価検討している間は、香港政府からのユーザーデータ開示要求の処理を一時停止すると発表しました。
なおAppleは以前公式ウェブサイトのPrivacyページ(英語のみ)で、香港において2019年の前半にユーザーデバイス情報の358の開示要求、不正取引に関連する155の開示要求、そしてアカウントデータについては2つの開示要求を受け取っていたことを発表しています。
しかし既に中国市場からは一部広告業を除いて撤退していて、中国からはVPNがなければアクセスさえできないGoogle/Twitter/Facebookとは違い、Appleにとって中国大陸を含む大中華圏は、本国アメリカに次いで世界第2の市場です。当然のことながら、今後も中国(大陸)とうまく付き合っていかなくてはなりません。Appleは既に中国リージョンのApple IDに関連するデータを、中国の法令に従って中国国内のデータセンター(貴州省)に保存するようになっています。
またAppleはこれまで、米国のFBIに対しては容疑者が所有していた端末のデータ開示要求やOSにバックドアを作る要求などをはねつけてきて、個人のプライバシーを大事に考えている企業ということをアピールしてきています。しかし、中国に対してはそこまで強硬な姿勢がとれるのかどうか。。
今後、香港独立運動などの国家安全法に絡むデータ開示要求について、Appleがどのように対応していくのか、注目が集まります。
記事は以上です。
(記事情報元:Bloomberg)