米国時間2003年4月28日にAppleはiTunes Storeをリリースした。そして本日まで、このミュージックストアは既に13年の年月を駆け抜けてきたことになる。
当時のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)にも、iTunes Storeが数年後に世界最大のミュージックストアになるとは想像もつかなかったかもしれない。そして世界中で売り出された楽曲数ものべ250億曲になることも。
iTunes Storeの登場は音楽業界にも非常に重要な意義があった。iTunes Storeは合法的な音楽ダウンロードのチャンネルを作ったのだ。2002年当時、違法ダウンロードが世界のCDの売上げを9%押し下げていた。ジョブズの当時のアイデアは、0.99米ドルという価格で1曲を売ることで、ユーザには魅力的に映るというものだったのだ。
当時のユーザはお金を節約するために無料で音楽をダウンロードすることにばかり考えていた。しかしジョブズは、iTunesが他のダウンロードサービスよりもいいサービスを提供できたら、ユーザはiTunesを選ぶだろうと確信していたのだ。なぜならiTunesは最も便利で簡単に使える上、きちんと合法的で、しかも権利者や作り手にもお金が行き渡るからだ。
ジョブズがリーダーシップを取ったおかげで、Appleは不可能といわれていたレコード会社などの権利者達との交渉にも奇跡的に成功した。Appleは5大メジャーレコード会社の楽曲をiTunesで販売することが可能になり、文字通り世界最強の音楽ダウンロードストアとなった。その流れは現在のApple Musicにも引き継がれている。
iTunes Storeは間違いなくAppleの歴史の中で重要な役割を果たしたといえるだろう。もしこのiTunes Music StoreのエコシステムがなければiPodの成功もなく、iPodの成功がなければiPhoneの成功もなかった(iPhoneの最初のコンセプトはiPod+携帯電話+インターネットコミュニケーターだったからだ)。
つまりiTunes Storeがなければ現在のAppleの繁栄はなかったのだ。
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