Appleのフィル・シラーSVP、iPhone XRの名前の由来について語る

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iPhone XRは来る10月26日から発売されますが、その発売前に、Appleの上級副社長(SVP)のフィル・シラー(Phil Schiller)氏がEngadgetの取材を受けています。多くのアナリストから、このiPhone XRはこれまでで最も売れるiPhoneになると予測されていますが、実際には在庫が潤沢にある状況です。果たしてどうなるでしょうか。。さて、そのことよりも、フィル・シラーSVPのインタビューを見てみましょう。

iPhone-XR_Phil-Schiller

EngadgetのシラーSVPへの取材では、主にiPhone XRの2つの点について集中しています。1つは、なぜXRという名前になったのか、そして1080pという解像度の低いディスプレイになったのか。この2点がAppleの先月のリリース発表以来焦点となってきたからです。

iPhone XRの”R”の命名は、特段決まった単語が由来ではない

XRの命名については、シラーSVPは特に特定の単語や言葉などのイニシャルをとったり略したりしたものではないとしています。実はAppleのこの「別段特定の意味はない」という論法は、iPhone 4sリリースからずっと続いています。例えばiPhone 4sはSiriが追加されたため、Sが付いたのではないかとメディアでは推測されていましたが、Appleはその論法について肯定したことは一度もありません。また、人によってiPhone 4sはAppleの共同創業者のスティーブ・ジョブズが最後に関わったiPhoneとされていて、iPhone 4sの発売を待たずに亡くなったことから、4(four) Steve=for Steveの略ではないかとする人もいましたが、Appleもその点について肯定も否定もしていません。ちなみに、2008年にリリースされた、初めて”S”がついたiPhone 3GSの”S”だけは、Appleが特定の意味を持たせていて、当時3GSの”S”はスピード(Speed)のSだとした記録があります。

そんな中、フィル・シラーSVPはXSやXRの”S”や”R”については、彼は個人的な意見として確かに意義はあるとしていて、これは自動車産業と関係があるとしています。「私はクルマや、速く走るモノが好きなんです。RとかSは、特別なスポーツカーにつけられるものですよね」。

というわけで、シラーSVPのこの発言は図らずも噂のEV(電気自動車)、Apple Carについて”ティザー”ともとれるようなものにもなっています(あくまで、メディアの見解ですが)。

iPhone XRの低ディスプレイ解像度議論については一蹴

先月のiPhone XR発表以来、ディスプレイ解像度について議論が巻き起こりました。Youtubeなどでは多くのユーザが、iPhone XRのディスプレイはあまりに古すぎ、”720p”仕様でかなりローエンドだとされたのです。これは、1080pで録画された動画をダウンサンプリングしないと再生できないということになります。最近の大多数のAndroidデバイスでは、ローエンドモデルでさえ解像度が1920x1080pとなっています。それに対してiPhone XRの画面解像度は1792×828で、画素密度はiPhone 8と同じで326ppiとなっています。そしてこの画素密度はiPhone XS/XS MaxやiPhone 8 Plusよりも低く、iPhone 8と同じです。

ただ、昨年は誰もiPhone 8の解像度が低すぎると言った人はいませんでした。そんなわけでフィル・シラーSVPはこういった批判については相手にしないとしていて、300ppi以上であれば、肉眼で通常の角度や距離から見た場合、人間には画素の粒子を見分けることができないといいます。フィラーSVPは、「ディスプレイの善し悪しを判断する唯一の方法は目で見ることです。Appleはこれらのディスプレイを”Retina Display(網膜ディスプレイ)”と呼んでいます。なぜなら、あなたの顔をガラスに貼り付けるほどのことをしなければ、あなたの目にはもう画素の粒を見分けることはできないからです。そして画素の粒子が見えなくなったとき、これらの数字は何の意味も持たなくなるのです。それら(の数字)はかなり恣意的なものです」との見解を主張しています。

iPhone XSやXRには特段の意味を持たせていない。。マーケティングの結果なのか、それともフィラーSVPの趣味なのか?

Appleは3Gの後に3GS、そして4s、5s、6sと2年ごとに”S”シリーズをリリースしてきており、2年に一回訪れていた”S”シリーズでは新機能や大幅な性能アップが図られていました。しかし7に関しては昨年7sは発売されず、直接8となり、そして同時にiPhone Xが登場しました。そして今年XSとなったことから、XSはXの性能アップ版ととることもできます。スポーツカーのType RやType Sなどからとられているとしたら確かに面白いですが、、

ちなみにスポーツカーに付けられるType Rですが、これは特にホンダの上位のスポーツカーにつけられる代名詞のようなものといえるでしょう。そしてRの意味はレーシング(Racing)のRです。iPhone XRもRacingのRとしたら。。そしてクルマ業界では、特に例えばトヨタではSはスポーツ(Sport)のSとされています(車種のセダン=SedanのSもありますが、グレード表示であればSportです)。AppleはこれらのRやSには特別な意味は持たせないということなのですね。。

マーケティングのトップのフィル・シラーSVPが、Apple製品の最終的な名称の命名には大きな力を持っているのは間違いないと思われますが、それがマーケティングの結果ではなく、またデザインと同様すさまじく練り上げられたものでもなく、単にシラーSVPの個人的な趣味でつけられているとしたら。。それもまたAppleらしいといえるのかもしれません。笑 個人的には、ネーミングについてはもう少しこだわりを持って付けてほしいというのがいちAppleファンとしては感じるところでもありますが、皆さんはいかがでしょうか。

iPhone XRは特定の消費者層を狙ったものではない。。ほんと?

またフィル・シラーSVPは更に、iPhone XRはマーケティング的に特定の消費者層を意識したものではなく、iPhone Xの素晴らしい体験を更に多くの人に使ってもらいたいためにリリースした、としています。が、シラーSVPが表向きにどう言おうと、やはりiPhone XRは中国やインドを含む新興国市場向けなのは火を見るより明らかではないか、というのが私の個人的な意見でもあります。

さて、iPhone XRは各アナリストが予測するほど、本当にそこまで売れるのでしょうか?来年のAppleの業績発表が楽しみですね。

記事は以上です。

(記事情報元:Engadget via 9to5Mac

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