セキュリティ研究家のJonathan Zdziarski氏が、とうとうAppleの注意を惹きつけることに成功した。Zdziarski氏はAppleに入社し、Appleのセキュリティエンジニアリングとアーキテクチャ部門の一員となったのだ。
Zdziarski氏は自身のブログ記事上で、自らがAppleに入ったことを公開した。
「私はこれは良心に関わる問題で、今回の決定は私にその答えを出したといえる。プライバシーは不可侵なものだ。最近のデジタルライフは私たちの全てをさらけ出してしまう。興味や好きなものは何か、深く考えていることは何か、そして誰を愛しているかまで余すところなく暴露されてしまう。優秀な人達と仕事ができて、私はとても嬉しく思う。プライバシーの保護については彼らも私と同様の情熱を持っている」
今年の初め頃、Zdziarski氏の研究によって、あるiPhone上のフォトレタッチアプリで端末が脱獄されているか否か、どのキャリアを使っているか、またハードウェア固有のMACアドレスまで取得できてしまうことがつきとめられている。彼もAppleの診断プログラムに参加していたことがあり、あのイスラエルのセレブライト(Cellebrite)社(FBIが昨年、テロ犯の持ち物とされたiPhone 5cの解除を依頼した会社)のiPhoneクラックツールで使用しているセキュリティホールを多く発見している。また2008年にはiOSアプリ内の”Kill Switch(キルスイッチ)”をいち早く見つけている。
Zdziarski氏がAppleに入った後、彼のブログ上ではもう今後はiOSのセキュリティホールが暴露されることはなさそうだ。そしてよくツイートしていた公式Twitterアカウントでも、多くのツイートが削除されている。
今のAppleのセキュリティ部門のトップはIvan Krstić氏だ。彼は2016年のブラックハット大会でiOSのセキュリティ問題について言及し、iOSのセキュリティを向上させるためAppleは内部で更に努力することを約束し、そしてセキュリティホールを発見して報告した人には懸賞をつけることも約束した。
記事は以上。
(記事情報元:9to5Mac)