Appleのティム・クックCEO、テクノロジーの濫用や子供のコーディング学習について語る

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Appleは今朝、”Everyone Can Code(誰でもコーディング=プログラミングできる)”活動の展開として、ヨーロッパの70もの教育機関でそのカリキュラムを導入されることを発表しました。そしてAppleのティム・クック(Tim Cook)CEOが、そのカリキュラムが導入される学校の1つ、イングランド東部エセックスのHarlow Collegeで、講演を行いました。

Tim-Cook

The Guardianが、クックCEOのコメントをまとめています。そのコメントには、テクノロジーへの過剰依存と、子供とテクノロジーとの境界線について触れられています。

クックCEOはテクノロジーの使用を教えない概念があることを、そして多くのコースではテクノロジーばかりが支配しているような状況ではないことを信じていると発言しています。

「私は(テクノロジーの)過剰依存を信じていません。私はテクノロジーをいつでも使うことで成功を収めるとは思っていません。」とクックCEOは語っています。「私は全くそれに賛同していないのです」

コンピュータによって支援されているコースにおいて、例えばグラフィックデザインなどにおいても、テクノロジーが支配すべきではないと彼は言います。

「何を語りたいか、何を理解したいかという概念が残っているはずです。例えば文学のコースでは、もっとテクノロジーを使うべきだと思いますか?恐らくそうではないと思います。」

クックCEOによれば、Appleは子供達の教室外での活動にも気を配っているといいます。Appleの株主総会で、最近子供達をスマートフォン依存症から守るための実際の行動について、話題に上がっていたこともあってのことでしょう。

Appleは1月初旬に、同社製品がどのように使われ、そして子供を含む多くの人々にどのような影響を与えるかについて深く考えているという声明を出しています。そしてAppleは同時に子供達を守ることに対して”とても真剣に”責任を感じているとしており、将来的にiOSのペアレンタル・コントロールを更に強化することを約束しました。

クックCEO自身は子供がいませんが、甥(おい)に対して”いくつかの境界線を引いている”ということです。「いくつか許さないことがあります。私は彼らをソーシャルネットワーク(SNS)にあげたくないのです」と彼は言います。

コード(プログラミング)を学ぶことについて、クックCEOは過去に何度か語ったときと同様、熱心に語りました。コーディングを学ぶことは、彼によれば、外国語を学ぶよりも重要なことだというのです。

クックCEOは、「私はもしあなたが選択するのであれば、コーディングを学ぶことは外国語を学ぶよりもっと大事なことだと思います。私は一部の人々が私の考えに賛同できないことを知っています。しかしコーディングはグローバルな言語なのです。そしてそれによって70億人と会話をすることができるのです」と語っています。

クックCEOは更に、ダイバーシティ(多様性)や、若いときからコーディングをすること、そして報道の重要性などについて語っています。クックCEOのスピーチの全内容については、The Guardianをご覧ください。

 

なお、子供をテクノロジーから遠ざける時間をとっていたのは、Appleの共同創業者の一人、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)もやっていたことです。彼は子供にiPhoneもiPadも触らせなかったといいます。またテクノロジーに触れる時間を制限していたということです。その代わり、ちゃんと夜はテーブルで食事を取り、そして様々な話を子供達と直接していたそうです。

テクノロジーの怖さを知っている企業のトップであるからこそ、子供達とテクノロジーの間に線引きをしているのかもしれませんね。特に10歳以下の子供達は、スマートフォンやタブレット中毒になってしまうことが指摘されています。ただ、過度に禁止することは逆に渇望を生み出すことも指摘されています。

私自身も、小学校の頃は炭酸飲料やお菓子などをほぼ禁止されていて、逆に中学校以降で急に禁止されなくなったことでものすごく好きになってしまったことがあります。ただ、コーディングに関しては小学校の頃にMSXを買ってもらったことから、コンピュータ言語のBASICを小学校高学年の頃から雑誌を買って自学自習していたことがありました(基本、ゲームですが)。今でもコンピュータの動作原理についてある程度の理解があること、またコンピュータテクノロジーをそれほどわかっているわけではないですが興味があるのは、当時の経験があったからだと思います。

クックCEOのコーディングは外国語を学ぶよりも重要、というのは少々極端な言い方だと思いますし、多くの人から反対意見があるのはわかります。ただ、クックCEOなどアメリカ・イギリス・オーストラリアなどで生まれ育った人は、世界共通言語である英語が最初からネイティブでできる人達なので、その他の外国語を学ぶ必要はあまり必要ないかもしれません。そして日本人はコーディングよりもまず英語や中国語を学んだほうがいいのかもしれません。もちろん、決めつけることはできませんが。。

そして、コーディングを学ぶことは確かに大切なことだと思います。今後AIがますます発達・普及し、コンピュータなしには世界経済や政治・外交が立ちゆかなくなる可能性もあります。そんなときにコーディングを理解しておくことは、理解していないよりも有利であることは目に見えています。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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