AirPortシリーズのディスコン決定、Appleが間違った時期に間違った決断をしたと思われる7つの理由

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当ブログでもお伝えしたとおり、Appleは先日、AirPortシリーズの生産終了と、近日中の在庫終了次第販売停止、つまり製品シリーズとしてのディスコンを発表しました。発表の内容の詳細は記事をご覧ください。

Appleは短期間の利益のためにAirPortシリーズの開発をやめた可能性があります。単価が低く、開発が大変で、他にも競合がたくさんいるという状況はわかりますが、以下の理由でやはりAirPortシリーズをディスコンにしたのはもったいないのではないかと思われます。

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1.ファームウェアの信頼性はAppleが優れている

多くの他メーカーのルータ端末(特に中国製)のファームウェアが、通信傍受などの懸念で信用されない中、Appleのハードウェアやファームウェアはこれまで築き上げてきた信頼と、FBIと喧嘩をしてまで守り抜いたプライバシー保護方針があります。多少機能が劣っても、価格が高くても、Apple製ルータを選択する人はたくさんいるでしょう。

2.AirPlayの機能は使いやすい

AirPort ExpressのAirPlayの機能は非常に使いやすいものです。今後iOS 11.4以降ではAirPlay 2がリリースされ、より大量の伝送が可能となって機能も充実し、家庭内Hi-Fi体験も可能になるはずなのに、この時期にそのハブとなるAirPortシリーズをディスコンとするとは、大きな機会損失のような気がします。

3.家庭内ネットワークの構築がしやすい

複数のAirPortシリーズの連結による、家庭内ネットワークの構築も楽にできたのに、それができなくなると家庭内のネットワーク環境を丸ごと見直さなくてはならなくなり、ユーザとしては苦痛な体験となります。実際、私の周りでも困っている人がいます。

4.今後ますます重要度が増すWi-Fiルータの役割

今後スマートホームがますます一般家庭内に浸透していくにつれ、ネットワークルータは将来的に更に重要な役割を担うことになります。なぜならルータは家庭内の全てのIoTデバイスを繋ぐためのハブとなります。AppleもHomeKitをリリースし、またHomePodも鳴り物入りでリリースするほどで、IoTの分野にも進出しています。しかしHomePodがそれほど売れていない今、Appleにとって、スマートホームで力を入れるべきはやはりルータのような気がします。ますます複雑化するネットワーク機器を、簡単なインターフェースで繋げることができるApple製品は秀逸です。

5.Apple製品との接続の親和性

Appleのデバイス同士は、接続の親和性がよく、AppleのOS(macOSやiOS)との相性もいいものです。特にTime CapsuleのTime Machine機能によるバックアップ、端末間でのデータやパスワードの共有は非常に便利です。前者についてはクラウドバックアップで優れたものが出てきて、AppleとしてもiCloudでのバックアップを推奨してiCloudドライブなどの容量をもっと売りたいという方針もわかるのですが。。

6.今後も通信規格が代わると買い替え需要も

技術的に難易度が低く、競合が多く、コストが合わないため、ルータ業界の中で競争する意味を見いだせなかった、という理由でAppleはAirPortシリーズのディスコンを決めたことだと思いますが、将来的にも通信規格は変わっていきますし、代替わりもある製品です。iPhoneのように毎年買い替えるようなことはないですが、通信規格も変わってくるので3年から5年で買い替え需要はありますし、速度が更にあがったり、ますますセキュリティの要求が高まってきている昨今では、技術的な挑戦もしがいがあると思います。

7.欠点もなくはないが、Apple製品同士を繋げるには最良のデバイス

もちろん、AirPortシリーズは第二世代はルータ機能に問題や不具合が頻発したり、機能複合型デバイスなので1つの機能が壊れると全体を持ち込んで修理しなければならないという欠点がなかったわけではありませんが、それはAppleの他の製品にもいえること。Appleは基本的には問題があれば解決する姿勢を持っているので、そこも信頼を集めていた大きな要因です。もう少しだけでもAirPortシリーズにソースを傾ければ、更に売れる製品を作るのは難しくないと思われます。しかも、既存のMacやiPhone、iPadデバイスのユーザにとっても、ますますAppleへのブランド忠誠度をあげるチャンスにもなると思います。

間違った時期に間違った決断?

これだけの理由があるにもかかわらずAppleがAirPortシリーズのディスコンを発表したのは、個人的には間違った決断だったのではないかと思いますし、これからスマートホームやIoTが本格するという今のタイミングで発表というのは何とも時期的にも悪い気がします。しかも短期的にみても、iPhoneなどが盛り上がっているときにしれっとニュースを出しておけば、目立たなかったかもしれません。

Appleにはルータへの再参入を期待

今後も可能であれば、Appleには違う名前でもいいので、新しいシリーズのルータ製品を作って欲しいと思います。新しいスマートホームやIoT、AR/VRなどの分野で、Apple製品が活躍する場を作るために。。Appleのスポークスマンも、Engadgetに対して「今後意味ある寄与ができるようになればこの製品ラインを再度作るかもしれない」と言っているくらいですから。一回失敗したシリーズを再度やるとなれば、次はAppleも本気になるかもしれませんしね。

ただ、こんなApple製品好きな私自身が使っていなかったくらいなので、それほど需要がなかった可能性もありますが。。笑

記事は以上です。

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