Apple、iPadの不振は自らの大画面iPhoneに市場を食われていることが原因であることを認める

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Appleが発表した2015年第一四半期の財務レポートによれば、今季のiPhoneの販売台数は昨年同季比で40%も増加したが、iPadのそれは20%以上も減少したという。

iPhone6/6 PlusによるiPad市場の侵食は既に予測されていたこと

両者の差がますます開いていくこの減少については、既に多くのアナリストによる普遍的な、”AppleがiPhone6/6 Plusのような大画面の”ファブレット(Phablet、Phone+Tabletの略)”デバイスをリリースすることで、iPadの販売数量はより圧迫されるだろうという”という予測と合致してしまった。財務電話会議において、AppleのCEOティム・クック(Tim Cook)は、iPadの販売台数が間違いなく大きな影響を受けていることを認め、更にその市場が非常に売れている新しいiPhone6/6 Plusによって飲み込まれようとしていることをも認めた。またその影響は更にMac市場にまで及んでいることさえも。

■左からiPhone5s、iPhone6、iPhone6 Plus、iPad mini
iPhone6-vs-iPad

iPhone6 Plusの異常な成功

実際非常に明らかに、5.5インチのiPhone6 Plusがリリースされたことで市場の全てのこれまでのタブレットデバイスが求心力・訴求力を失っているのは間違いなく、動画や電子書籍などの利用はこの”大画面iPhone”上で完結されてしまう。マーケティングリサーチ機構のKantarWorldpanelのComTechデータサービスによれば、2015年の第一四半期で、米国の”ファブレット”市場は昨年同時期に比べて倍に膨れあがり、現在大画面ファブレットはスマートフォンの販売台数の25%を占め、そのうちiPhone6 Plusは44%を占めているという。

ティム・クックCEOはこの現状について、”iPhoneとMacがもともとiPadが占めていた市場を飲み込んでいく様子は私にもはっきりと見えている。当然ながら以前から私が言っているように、私たちはこれについて全く心配していない。この状況は今後も続くだろうが、将来ある時期になれば両者の比率は安定するだろうという見解を示している

画蛇添足 one more thing

さすがクック船長、みんな焦るな餅つけ、と周囲をなだめるあたり大ボス的な貫禄が出てきたというところだろう。しかしApple内部のiPad部門の人は、いつクビになるのかと戦々恐々としているに違いない。

私個人としても、iPhone6 Plusが発売される以前は何となくiPad miniを買おうかと思っていたが、現在は全くiPad miniを購入する意向が消え失せてしまった。それはiPhone6 Plus購入時の復元に異常に時間がかかって最悪だったということと、現在のiPhone6 Plus(+脱獄)でそれなりに快適に使えているという2つの相反するユーザ体験から来ているものかと思う。

Appleは12インチiPadを開発中という噂もあり、またiPad mini 3ではiPad mini 2に比べTouch ID以外には殆ど何も進化がなかったところをみると、対策としてiPhoneとiPadのラインをはっきりと分けようとしているように見える。つまり巨大化したiPhoneに対して、iPadもiPad AirとiPad Pro(仮称)の2種類で巨大化してラインをずらそうというわけだ。

しかし12インチiPadはスタイラスなどもつくという噂もあり、正直本当に誰が欲しいのか、気になるところでもある。iPadに使われるiOSでは、マルチタスクが弱いためビジネスユースには心許ないからだ。

そして薄く軽くなった新しいMacBookも画面サイズは12インチ。12インチiPadとちょうど重なる。ということはこちらも市場を食い合ってしまう可能性がある。もちろん、現行のMacBook Air 11インチなんかも危ない。

Appleの製品ラインナップはもっとシンプルにしたほうがいいんじゃないかと個人的には思ってしまう。既に大量の種類があるiPadについては、特に。

記事は以上。

(記事情報元:cnBeta

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