ジョブズは親友の”裏切り”についてどう対処したか?ジョン・ルビンスタインとのエピソード

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間もなくリリース予定のApple(アップル)の共同創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)に関する書籍(最初は英語のみ)、”Becoming Steve Jobs”の中で、ジョブズに関する興味深いエピソードは枚挙にいとまがない。

■Becoming Steve Jobs(英語版)

ジョブズと一緒に長く仕事をした後Appleを離れ、ライバル会社で仕事をした人がいたら。。ジョブズの目にはその人はどのように映るのだろうか。

Brent SchlederとRick Tetzeliの共著による”Becming Steve Jobs”では、これまで明かされなかったジョブズのエピソードが語られている。今回は”裏切り”のお話。

Palmのジョン・ルビンスタイン(Jon Rubinstein)はかつてジョブズの盟友だった

Steve-Jobs_Jon_Rubinstein

もしあなたが昔Palmを使っていたなら(ちなみに私もPalm Pilotのユーザだった)、ジョン・ルビンスタイン(Jon Rubinstein)という名前を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。PalmのCEOだった時期、ルビンスタインはWebOSのスマートフォンを開発し、一時期はiPhoneの本当のライバル、iPhoneキラーと目されていた時期もある

しかし多くの人に知られていない事実だが、ルビンスタインはAppleからPalmに転職した。そしてそのルビンスタインの裏切り行為はジョブズをひどく怒らせたという。

ルビンスタインは最初はジョブズがAppleを追い出された後に作ったNeXTでハードウェアエンジニアとして働き、その後ジョブズと一緒にAppleに復帰した。当時彼のAppleでの職位はハードウェアエンジニアリング担当上級副社長(ヴァイスプレジデント)だった。PowerBook G3をはじめとしてiMacやiBookの開発に携わり、特にiPodの開発に貢献し、トニー・ファデルやジェームス比嘉、スタン・イングらと共に”iPodの父”とも呼ばれている
2006年、Appleはルビンスタインの引退を発表したが、このジョブズと長年の友情を築いた彼はこのままテクノロジー業界から退出することをよしとせず、2007年にPalmに入社し、最初は会長職、その後CEOとなった。

ルビンスタインのPalm転職はジョブズにとっては裏切りだった

ルビンスタインは”Becoming Steve Jobs”の2人の共同著者のうち、Rick Tetzeliに対して、彼がAppleを離れて1年後にジョブズにメールを出したことを暴露している。その中で彼はPalmで働くことをジョブズに告げた。ルビンスタインがそのメールを出した後4秒後に、ジョブズから電話がかかってきたという。ジョブズはその電話の中で、「君はかなり多くのお金を稼いだろう、なんでPalmになんか行って働くんだ?」とルビンスタインに尋ねたという。

そしてルビンスタインはPalm入社後、何度もAppleからヘッドハンティングを行った。

ジョブズの目には、ルビンスタインはAppleをやめた後ライバル企業に勤めたことは一種の”裏切り”に映ったらしく、その後二人は二度と連絡を取ることはなかったという。

画蛇添足 One More Thing

考えてみれば当たり前の話で、ライバル会社に移った上にさんざん引き抜きをされたら、ジョブズじゃなくたって怒るだろう。

最終的に、ルビンスタインのPalmは全くジョブズのAppleの相手にならなかった。完全にジョブズの勝ちだったということになるだろう。

ただ、ルビンスタイン自身はその後2010年にAmazonの取締役、2013年にはクアルコムの社外取締役に選出されるなど、大企業役員として成功の道をたどっている。当然優秀な人物であることは間違いない。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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