Aliyun(アリババクラウド)がシリコンバレーでデータセンター試運転開始、世界向けにサービス開始

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3月4日、Aliyun(阿里雲、中国のアリババグループ Alibaba Group (BABA) – NYSEのクラウドコンピューティング会社)が米国シリコンバレーのデータセンターでテスト運用を開始し、北米および世界中のユーザ向けにクラウドサービスを提供を開始した。

このシリコンバレーデータセンターはAliyunの杭州、青島、北京、香港、深圳に続く、世界で6つめのデータセンターとなり、Aliyunは今後更に北米、ヨーロッパ、日本、中東等世界各地にデータセンターを建設予定という。

Aliyunのシリコンバレーのデータセンター

AliyunのシリコンバレーのデータセンターはTier3+標準に準拠しており、豊富なブロードバンドソースを持ち、ユーザに十分余裕があるネットワークアウトプット拡張キャパシティを提供可能だ。BGPルーティングによって多くのプロバイダの基幹ネットワークに直接接続することが可能で、全米をカバーしているほか、直接地球上の多くの国家と地域をつなぐことも可能となっている。

Aliyunが提供するサービス

現在Aliyunが提供しているのはクラウドサーバECS、負荷分散SLB、リレーション型データベースサービスRDS、DDos防御・CC防御システムYun Shield(雲盾)、クラウドモニタリングサービスなど5種類のクラウドサービスだ。

Aliyun_Ali-Cloud_Service

ユーザはAliyun.comのオフィシャルサイトで注文したりカスタマイズをすることもできる上、従来の杭州、青岛、北京等のデータセンターと同様の保障サービスも受けられる。シリコンバレーデータセンターはAliyunの中国国内データセンターとシームレスな連携がとられており、1つのアカウントで米国と中国のクラウドアプリを管理でき、統一された部署での運営が可能となっている。

Aliyunの世界展開によって、中国IT企業が海外に、また海外IT企業が中国に、双方向でより容易に進出可能に

Aliyun社国際業務担当の喻思成副社長によれば、シリコンバレーデータセンターの開放によって、中国のインターネット企業がより簡単に海外業務を開拓することができるようになるという。中国国内ユーザはAliyunの公式サイトで、数回マウスをクリックするだけで中国から出なくても米国のウェブサイトを開設でき、またモバイルアプリ部門を米国に置くこともできる。以前中国企業が海外でインターネットサービスを展開しなければならない場合はその海外現地のレンタルサーバを借りなければならず、言語の問題・現地の法律や政策の問題・外貨決済の必要性など様々な障壁があったが、それがまるで国内サービスを使っているのと同じような感覚でクリアされるというわけだ。
そしてこれによって、米国の企業も初めて中国のクラウドサービスを使うことができるようになる。海外企業の中国国内へのサービス提供の促進にも繋がるというわけだ。

今後は米国だけではなく世界各地にデータセンターを建設

喻思成副社長によれば、6年間の積み重ねによって、Aliyunは中国最大のパブリッククラウドコンピューティングプラットフォームに成長し、また世界で初めての海外向けに5Kクラウドコンピューティングサービスを提供できる会社となったという。これらのテクノロジーや実力、そして運営サービス経験によって、Aliyunはますます世界に向けて進出していく予定のようだ。香港と米国のシリコンバレーのデータセンターはAliyunの国際化戦略の始まりにすぎず、更に北米、欧州、日本、中東等の世界各地にデータセンターを建設予定とのこと。

画蛇添足

中国のITサービスが海外に、そして海外のITサービスが中国に進出しやすくなる。これはまさに一石二鳥の戦略だ。先日の記事で紹介したテンセント(騰訊 Tencent 00700 – HKSE)のCEOポニー・マー(馬化騰)のようにインターネットを十分に利用した方法による政策提言をするプレイヤーもいれば、友人の寺村氏のブログで紹介されたような政治とは関わり合いをできるだけ持たず、インターネットサービスで人々の雇用と世界への繋がりを作っているアリババのCEOジャック・マー(馬雲)のようなプレイヤーもいる。

中国のIT企業は他にもシャオミ(小米科技、xiaomi)のCEOレイジュン(雷軍)や、バイドゥ(百度、Baidu Inc. (ADR) NASDAQ:BIDU)のCEOロビン・リー(李彦宏)など中国を足がかりに世界をインターネットの力で変えようとしているスタープレイヤーたちが沢山いる。今後も要注目だ。

記事は以上。

(記事情報元:tech2ipo

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