AppleのiPhoneの最大の組立協力工場、それがFoxconn(フォックスコン、富士康)だ。
Appleは明日にでもiPhoneの四半期販売数量が史上最多であったことを発表する可能性があり、Foxconnもそこからの利益は少なくないはずだが、Foxconnはその130万人の従業員の一部に対して、リストラを行うようだ。この記事はフランスのメディアMac4Ever及び中国のメディアWeiPhoneによる。
Foxconnのリストラの原因
このFoxconnによるリストラは、やはり中国の人件費の上昇が最も大きな原因だ。また、Appleの書き入れ時の生産数量の納品が終了した後、いわゆるアルバイトも仕事が減って離れていくということも原因の1つでもあるようだ。
中国の人件費の上昇、労働コストが2010年から倍増
Foxconnの代表取締役、テリー・ゴウ(郭台銘)の特別秘書ルイス・ウー(Louis Woo)はまだ具体的なリストラのタイムスケジュールやその対象について明らかにしていないが、彼は2010年から比べて現在の労働力コストが既に倍になっていることを暴露し、過去3年間、Foxconnの従業員数は基本的に安定を保っていることも主張している。全面的なリストラに踏み切るか、という質問に対して彼の答えは”イエス”だった。
2013年からFoxconnの成長が鈍化、ロボットの導入もリストラに繋がる
Foxconnは2003年から2012年まで、ずっと二桁成長を続けてきた。しかし2013年には1.3%の成長に留まった。ここ数ヶ月は、更にPC市場の縮小とスマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けている。Appleからは大量の受注があるものの、2018年までには平均19%ほど低下するだろうといわれているスマートフォン販売価格の低下によるプレッシャーも受けている。Appleからの値下げ圧力も当然ある。
Foxconnは人件費の上昇とともに日を追って難しくなる組立技術要求に対応するためのロボットアームの導入を進めており、それに伴う人員の削減も計画にあるようだ。生産ラインの自動化がリストラを招く。。どこの国も発展中に経験したことかもしれない。
画蛇添足:Apple離れを進めたいFoxconn、しかし現実的に無理?
Foxconnのトップ、テリー・ゴウは剛腕として知られ、一代でここまで会社を大きくしてきた。しかし彼自身も65歳、そろそろ世代交代が迫っている。
FoxconnはApple等大手企業のOEMが中心という経営体質を見なおし、自社オリジナル製品を作るメーカーに転身したいと考えているようだが、やはりまだまだそれが成し遂げられていないようだ。
恐らく、株価に影響するために急激な動きはできないのだろう。
中国で非常に多くの従業員を抱えるFoxconn。。ここが従業員を大幅にリストラするとなると、街がひとつ消えるほど影響力がある。失業率を上げたくない政府としても、Foxconnの対応については目を光らせているはずだ。
記事は以上。