Bloombergの報道によると、Appleはサファイアガラスディスプレイの提携先GT Advancedの破産法適用を受け、自社で出資してGT Advancedと同じく米国アリゾナ州メサ(Mesa)の工場を再建するようだ。メサ市政府の役人がBloombergに対して明かしたところによると、Appleは既にメサ市で製造業の就業機会を引き続きもたらすことを約束したという。2名のメサ市の役人がAppleのカリフォルニア州クパチーノの本社を訪ね、メサ市政府としてもAppleをサポートすることを伝えたという。
以前メサ市はAppleの工場建設投資を勧誘し、許可のプロセスを加速化しただけではなく、電力の基礎インフラを拡大し、また資産税の低減までしていた。Appleは工場の建設に100%のグリーンエネルギーを要求したため、メサ市はそのためにわざわざ新しい変電所を作ったほどだ。メサ市の計画はAppleの影響力を利用し、同地区に新たなハイテク工業区を作るというものだ。既にいくつかの会社がAppleのサファイア工場の周りに工場を建設する意向を示しているという。
ただ、メサの工場は現在でもGT Advancedによって運営されている。現在の計画によれば、今年12月に完全に閉鎖となる。現在は多くの従業員が待機状態となっており、少数のスタッフがGT Advancedが工場を売りに出して借金を返す目的で清掃やサファイア融解炉の解体作業に従事しているだけだという。業界内部の予測によれば、Appleは再度メサ市の工場を再建し、最終的にはサファイアのみならず昨年2013年のMac ProのMade in USAのような組立ラインまで導入する計画だとされている。
画蛇添足:Apple Watchと次世代iPhoneに間に合うか
Apple Watchにサファイアガラスディスプレイが用いられることはAppleが既に発表済みのため、直近はこれが目的だろう。また来年発売のiPhoneの新モデル(iPhone6s?iPhone7?)にもいよいよサファイアガラスディスプレイの採用が予定されているという。間に合うかどうかはApple次第だ。しかしあまりに下請けいじめをしすぎたしっぺ返しを食らっているというのが正直なところではないだろうか。
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