ブラックマーケット価格も下落!iPhoneの盗難、アクティベーションロックでかなり減少

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スマートフォンの中で圧倒的な人気を誇るiPhoneは以前は泥棒にとっては格好の標的だ。

しかしiPhoneに搭載されているオペレーティングシステムは、去年リリースされたiOS7から今年のiOS8にかけて各種のセキュリティ強化が図られ、泥棒にとっては頭が痛い状態になっている。

携帯電話の盗難、iPhoneが圧倒的に多い統計結果

まず携帯電話の盗難は人々を悩ませる問題だ。米国の主要都市での犯罪の49%は携帯電話の窃盗と関係があるとされている。2012年、盗まれたデバイス(主にスマートフォン)によって、消費者の損失額は300億米ドル(約3兆円)にものぼっている。

そしてこの表を見れば、iPhoneはシェアがSAMSUNGほど大きくないのに、圧倒的に盗難率が高いことがわかる。

Smartphone_share_theft

イギリスでも3分の1の人が何らかの形で携帯電話を盗まれたことがあり、2012年8月から2014年1月まで、ロンドンで盗まれた携帯のうち半分の50%がiPhoneだった。

Appleの対策、「iPhoneを探す」と「アクティベーションロック」が功を奏す

ここ数年Appleはこの状況を打開するために、2010年にFind My iPhone(iPhoneを探す)機能を搭載し、2013年のiOS7ではActivation Lock(アクティベーションロック)を追加し、ユーザによって遠隔操作でデバイスをロックすることができるようになった。これを解除しない限り復元をすることもできず、使えないために価値は激減するということになる。

ニューヨークの司法長官のEric Schneidermanによれば、今年1月から5月までのApple製品の窃盗事件は、昨年の同時期に比べ19%減少したという。ロンドン警察もiPhoneの窃盗事件は減ったとしており、それによりiPhoneのブラックマーケットでの価値も下がっているという。

今年リリースされたiOS8の中で、Appleは更にセキュリティ保護を強化している。当然これらの新しい特性が完全にiPhoneの犯罪現象をなくしてしまうものではないが、これらの措置は無法者達の注意力を、iPhoneよりもセキュリティが弱いデバイスに向けることができる。

アクティベーションロックがリリースされてから半年後、サンフランシスコのiPhoneの窃盗は38%も減少し、逆にSAMSUNGの窃盗率は12%増えたという。来年から販売されるSAMSUNGを含む大部分のスマートフォンにはiPhoneのアクティベーションロックのようなセキュリティ保護機能が追加されるとみられている。

画蛇添足:中国ではアクティベーションロックもお手上げ

iPhoneの盗難が多いのは、まずiPhoneは販売価格が高く、値引きして販売されていないこと、また型落ちしてもそれほど中古価格が下がらないことが原因だ。これはひとえに以前販売されたiPhoneも今でも十分使える性能を持っていることを表している(とはいえiOSをアップデートできないとAppleの提供する機能を十分に使えるとはいえないが)。リセールバリューが高いために、窃盗をして売ってしまえば高く売れるのだ。

しかしAppleの安全対策として特にiOS7と共に登場した「アクティベーションロック」の登場によって、盗難品の転売はかなり難しくなった。そんなわけで米国等ではブラックマーケットの価格が下がったため、窃盗団の矛先が切り替わったというわけだ。

ただ、何でもありのお隣の国、中国には実はそのアクティベーションロックを外してしまう裏技が存在する。ハードウェアを使うのだが、これはあまりにブラックすぎるのでここではさすがに紹介できない。当然そのハードウェア自体も売っていて、ブラックマーケットの買い取り額や転売額はその「アクティベーションロック解除」の価格に大きく左右されるのはいうまでもない。

中国で安めに売っているiPhoneは殆どその類いだ。警察に通報されている機体の可能性があるので、安いiPhoneには絶対気をつけた方がいい。また、街中でiPhoneを買わないかと声をかけてくるのもNG。たまに精巧にできた偽物を売りつけられることもあるので要注意だ。

記事は以上。

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