中国大陸が躍進!今年はAppleサプライチェーンの中で中国企業が更に増加

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Apple_Supply_Chain_China

台湾のメディアが数日前、
瑞信証券から得たとされるApple(アップル)の2014年のサプライチェーンの分布状況を公表した。
公表されたデータをまとめると、
現在Appleは全部で590社のサプライヤーを抱えており、
そのうちの349社が中国大陸の会社で、
その次に日本が139社、米国が60社、台湾が42社と続いている。

昨年と比べ、Appleの日本と米国でのサプライヤーの数は減少している。
日本は148社から139社になり、
米国は75社から60社に減っている。
それに比べ中国大陸は330社から349に増加しており、
台湾が1社しか増加しなかったことと見比べても、
中国大陸の躍進は一目瞭然だ。

瑞信証券のアナリスト陳柏齢によれば、
台湾においては今年は谷崧・美律・幃翔と未上場の坤輝の4社が新たにサプライヤーに加わり、
双鴻・定穎・金像電と未上場の太乙がサプライチェーンから外れたという。

瑞信証券は更に今年のサプライチェーンの分布について、
いくつかの傾向があると指摘している。
1つめは、2014年に27社のメーカーがAppleのサプライチェーンに新しく加入したが、
そのうち8社はそれぞれケーシング・精密加工・成形加工の分野で、
特に次世代iPhone「iPhone6」のケーシングのコストが従来製品に比べて高くなっているため、
ケーシング技術がAppleの最近注目しているポイントであるという。
そのため中長期的に見れば、ケーシング分野での競争は更に激しくなると予想されている。
2つめは、PCB(プリント基板)のサプライヤーが2013年から1社減ったことから、今後PCBメーカーは減少していく傾向が挙げられている。
3つめは、ファクトリーオートメーション(FA)設備メーカーの数が増え、
製品の生産ラインがますます自動化していく傾向にあることも指摘されている。

Appleの製品の成功は、製品本体の驚くべきイノベーション以外に、
非常に強大なサプライチェーンによる製造保障体制にある。
もし後者がなければ、全ては幻に終わってしまうからだ。

Appleは非常にすぐれたサプライチェーンを持っており、
2007年以来、AppleはGartnerによって6年連続で世界でもっとも優れたサプライチェーンメーカーと評されている。

事実、あなたがAppleの製品を手にするとき、
その製品は実は世界の半分くらいを旅してきていたことになる。
まず製品デザインは米国にて行われ、
基幹部品の多くの製造は日本が担当し、
そして韓国でCPUやディスプレイの製造が行われ、
更に台湾でその他の一部の部品が作られ、
中国広東省深圳のフォックスコン(Foxconn、富士康=台湾鴻海)等中国の工場内でそれらが組み立てられ完成する。
それらが全世界に向けて販売されているのだ。

Appleの製品を手にするということは、
非常にグローバルでワールドワイドな製品を手にしていることになる。

日本のサプライヤーが減っているのは寂しい限りだが、
実はまだまだApple製品の基幹部品は日本が握っているといっても過言ではない。
中国大陸のサプライヤーが増えても、
基本的にはあまり儲けが多くない組立などに限定される。
ノウハウと技術特許によって、
世界一のテクノロジー企業Appleでさえ頼らざるを得ない日本企業の基幹部品。
利益率も他の国に比べて高いはずだ。

かつて世界を席巻したSonyや松下(Panasonic)などの素晴らしい電子機器メーカーが日本から今後新たに出ることは考えにくいが、
このような基幹部品・基幹技術の分野で生き残っていくのはものづくり戦略として正しいのかもしれない。

記事は以上。

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