サムスン、更にAppleをディスったCM”Ingenius”を3本追加

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サムスンが更に必死になっているようです。。ここまで来ると意地ですね。サムスンは本日未明、また新しいAppleのiPhoneをディスった広告”Ingenius”シリーズで新たに3つのCMをリリースしました。細かい仕様に妙にこだわるユーザが、iPhoneではなくサムスンのGalaxy S9を選ぶようにしむける意図があるようです(それが成功するかどうかは別問題ですが)。

サムスン Ingenius iPhoneX ノッチ

1. Notch

これは以前もサムスンがAppleのiPhone Xをディスっていたときに使っていたものです。動画を見る時に邪魔になると言っています。また、例の額に「前髪」があるキャラも、今度は家族連れで登場、子供はAirPodsを耳に入れています。

2. Storage

2番目の広告は、女性顧客がiPhoneにはMicroSDのスロットがないことを指摘し、Galaxy S9にはあるとしています。彼女はデータをクラウドに上げたくないそうです。

3. Multitasking

3番目の広告は、iPhoneで2つのアプリをスクリーン上で同時に動かすことができない、でもGalaxy S9ではできるとしています。​iOSではディスプレイ上での複数のアプリのマルチタスクはiPadに限られています。

CMで指摘された3つのポイント、本当に購買時の重点なの?

今回サムスンがディスっている3つのポイントも、正直購入時にはあまり重要視されないポイントかと思います。

まず1つ目の”ノッチ”は、確かにデザインとしてはよくないところもあります。Galaxy S9は上下のベゼルの間に顔認識用のカメラやセンサーを仕込んでいて、”ノッチ”はありません。しかしその顔認識の性能はiPhone Xのそれに遥かに及びません。iPhone XのFace IDを実現するTrueDepthセンサーは他社よりも3〜5年リードしているといわれているほどの正確さと性能を誇ります。私がGeniusだったらそこに言及しますね。

2つ目のストレージは、MicroSDへの保存は安全性と速度の問題があります。MicroSDを移せばデータが移るのは確かに便利ではありますが、他人に端末を盗まれた場合、セキュリティ的には非常に問題があります。また、MicroSDの伝送速度が遅いのはストレスです。iCloudの安定感や安全性を考えれば、今時そのような外部ストレージに頼る必要はあるのでしょうか。

3つ目のマルチタスクについては、本当にスマートフォンレベルの小さいスクリーンで、2つ以上のアプリを同時に表示して操作する需要があるでしょうか?2つ以上のアプリを同時に表示するのは効率を求める人だと思いますが、そういう作業をしたい人は、iPadなどタブレットを買った方がいいと思いますし、それ以上の作業をするのであればMacやPCなどを買った方がいいと思います。もともと、スマートフォンとタブレットとコンピュータはそれぞれ用途が異なるものではないでしょうか。

これまでの”Ingenius”のシリーズについては、当ブログでまとめて紹介していますのでご覧ください。

AppleのiPhoneのよさはハードウェアスペックだけではない

サムスンの比較広告のポイントは、全て非常に細かいハードウェアスペックに終始しています。

これは私の個人的な意見ですが、AppleのiPhoneのよさは、ハードウェアスペックというよりも、Apple全体のエコシステムの素晴らしさ、そしてハードウェアとソフトウェアを同時に自社開発していることによるスムーズな動作にあるのではないでしょうか。

App StoreではApple一社で、他の全てのAndroid(中国除く)のGoogle Playの利益の倍を稼ぎ出していて、サムスンはGoogle Playの恩恵を殆ど受けていないため、純粋にハードウェアを売らなければならない状態です。しかも、サムスンの主戦場はミドルクラスからローエンドの市場にあり、これらの市場は利益の幅が非常に少ない上に、中国産スマートフォンに侵食されていて、サムスンは大苦戦している状況です。サムスンペイ(SAMSUNG PAY)もそれほど普及していないでしょうし、AppleのApp Storeに比べればその収入はわずかなものかと思います。

サムスンは確かにグループ企業で半導体やディスプレイも作っていて、iPhoneにはサムスン製の部品も使われていますし、フラッグシップモデルはハードウェアとして優れたものを作っていると思いますが、このようなCMを打つことで、本来はスマートフォンのシェアでは覇者だったサムスンが、自身がチャレンジャー側であると自ら認めていることになります。

今回のCMも、出せば出すほど正直悪あがきのようで、見ていて不快なだけではなく、一種の哀れさをも感じさせます。批判も比較広告もやってもいいとは思いますが、もっとCoolな感じにできなかったんでしょうか。

記事は以上です。​

(記事情報元:9to5Mac

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