現在のApple(アップル)のデザイン部門のトップで上級副社長(ヴァイスプレジデント)のジョニー・アイブ(Jonathan Ive)が、
数日前ニューヨークタイムズの取材に応じ、
Appleが”ポスト・ジョブズ時代”に入った後の企業発展の路線について語っている。
先日の記事に書いたような、
Apple初期のデザインのトップだったEsslingerが現在のAppleを痛烈に批判したように、
Appleの外部からは「Appleはイノベーションがない」との論調が展開されている。
それに対してアイブは、「ティム・クックがCEOを引き継いだ後、会社は何も変わっていないよ。AppleはやっぱりAppleなんだ」と語っている。
アイブはまた、クックのリーダーシップのもとAppleのコアな任務は全く揺らいでいない、
その任務とはイノベーションのことだ、という。
「正直に言って、僕は何も変わったと感じていない。
会社の内部の従業員が新製品の開発の仕事をしているときは、パッションに満ちあふれているよ。
みんながイノベーションを我慢強く待つことができないだけさ
これはスティーブにとっても難しいことだけど、クックにとっても同じように難しいのさ」
と、アイブは持論を展開している。
ジョブズとクックの比較について、アイブは
「もしジョブズが一人のデザインマニアだったとしたら、
クックは静かに全てのプロジェクトを運営する天才だね」
と語り、更に
「時間が経てば、みんなクックを低く評価しすぎだってことに気づくだろう。
だってAppleは彼のリーダーシップの下で、
今でも世界で最も優れているテクノロジー会社なんだからね。」
と語っている。
個人的には、現在のAppleはジョブズが起こしてきたイノベーションの莫大な遺産を食っているような感じがしている。
ジョニー・アイブの言葉は現状に満足してあぐらをかいたような発言にも聞こえなくもないが、
もちろん私自身がAppleの内部の状況を見たわけではないので何ともわからない。
全ては今年秋の新製品の発表によって明らかになるだろう。
Appleがまだイノベーティブな会社であるか、ということが。