ロイター社の報道によると、Apple(アップル)が500億円(約4.8億元)で日本のチップメーカー”Renesas SP Drivers”の株式の55%を取得する計画が失敗に終わったことが報じられている。
双方の話し合いに一向に進展が見られなかったため、Renesasは既にその買収相手を新たに現れたSynapticsに切り替えて交渉をしているという。
今年4月にはAppleがRenesasの買収に動いていることは既に暴露されていたが、Apple以外にもシャープが25%の株式の取得に乗り出しており、残りは台湾の半導体メーカーのPowerchipによって買収される予定だった。AppleがRenesasを買収する目的は、サプライチェーンのコントロールを強化するためだったといわれている。
Renesasの主な事業内容は、小型LCDのドライバとコントロールチップで、スマートフォン用のディスプレイのコントロールチップに特化している。AppleのiPhoneのディスプレイにはRenesasのコントロールチップが用いられており、それによってディスプレイの解像度や省電力化を実現している。
近年Appleはこのような取引を頻繁に行っており、例えば昨年末にはGT Advanced Technologyと数年に渡るサファイアの購買契約をし、その総額は5.78億ドル(約578億円)にのぼっている。
またAppleはGPUメーカーのImagination Technologiesの10%の株式を取得しており、また最近は更に10億ドル(約1兆円)をかけて多くの半導体メーカーを買収しており、これらのAppleの動きは当然ながら同社のデバイスの開発や製造原価に影響している。
今回の買収失敗がAppleの経営にどのくらいの影響を与えるかはわからないが、恐らくApple側にそれほど投資メリットがないという判断がなされた可能性がある。
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