Appleは今年秋発売の次世代iPhoneから3.5mmのイヤホンジャックを廃止し、Lightning(ライトニング)コネクタ或いはBluetoothのみでのイヤホン・ヘッドホン出力に変更されるという情報が流れており、噂レベルではあるがほぼ定説となっている。
となると、これまで3.5mmタイプのイヤホンを使用していた人は、直接は使えなくなってしまうためイヤホン・ヘッドホンの買い換えが必要になる(或いはアダプタの導入が必要になる)上に、3.5mmのイヤホンジャックで音楽を聴きつつ充電するということはできなくなるというデメリットが発生する。
しかしLightningコネクタを使ったイヤホンやヘッドホンには、それを補ってあまりあるメリットがあるかもしれない。以下に5つにそのメリットとなると思われるポイントをまとめた。
1. Hi-Fiのために不格好なDACアダプタを使う必要がない
イヤホンやヘッドホン愛好者はご存じの通り、Hi-Fi音質を得るにはどうしても単独のDACが必要だ。これまでの3.5mmイヤホンジャックでは、Hi-Fiの実現のためには何らかの小さいDACアダプタのようなものを追加する必要があった。しかしLightningコネクタであればそんな必要はない。例えば、既に存在するLightningコネクタ接続のヘッドホン、【Adudeze Titanium EL-8】は直接DACがケーブルの中に内蔵されているため、別途にDACを用意する必要がないのだ(ただし、お値段はかなり張るのだけど)。
2. 電力供給がより強力に、イヤホンやヘッドホンの本来の実力を発揮
かつてはiPodの発展した先のデバイスとして登場したiPhone。iPhoneの音響集積回路は市場で出回っている製品の中でも非常にハイクラスではあるのだが、ハイグレードなイヤホンやヘッドホンを接続した場合、3.5mmイヤホンジャックでは十分にその実力を発揮できない。Lightningコネクタであれば、イヤホンやヘッドホンに十分な電力を供給し、実力を発揮してもらうことが可能となる。
3. よりよい音質の実現
上記のメリットに共通していえることだが、「全ては音質のため」だ。音質に関しては、LightningコネクタではDACの役割を果たすこともでき、更にクリアな音声と広い音域を実現できる。少なくとも、3.5mmイヤホンジャックよりも優れた音質で聞くことができるのは間違いない。
4. よりよいイコライザー(EQ)の実現
イヤホンのイコライザーでは、様々な周波数の信号を調整し、スピーカーと音場(音波が存在する空間)の欠陥を補ったり意図した音響効果をもたらすことができる。そしてLightningコネクタを使うことによって、イコライザーを更にカスタマイズすることができるようになり、音質効果が更にアップする。
5. 更にイヤホン・ヘッドホンにイノベーティブな新機能が生まれるかも?
デジタル化技術が進む中、Lightningコネクタを使用したイヤホンやヘッドホンは、ファームウェアのアップデートや内部に設置されたセンサーなどで更に多くの機能を追加することが想定でき、イヤホン・ヘッドホンが単に音楽を聴いたり、音声通信をするための道具ではなく、別の方向に発展する可能性も秘めている。潜在的なイノベーションの種があるかもしれない。しかし3.5mmイヤホンジャックのままそれはありえなかった。
イヤホン・ヘッドホンメーカーにとっては更に新しい製品を生み出し売り出すチャンスが到来する。業界にはAppleによる波及効果がもたらされるだろう。そして音楽好きはよりよい音質を求めてiPhoneを買うという、Appleにとってもプラスの効果が期待される。
当然ながらイヤホン・ヘッドホンの性能や音源にも左右される
但し、もちろん、イヤホン・ヘッドホンの品質も当然ながら、再生する音源がショボいと意味がないのは言うまでもないので、何でもLightningコネクタに変わったからいいというものでもない。どうせ充電を犠牲にしてLightningコネクタを使うくらいであれば、できればいいヘッドホンを使って、CD音質に近い音源を再生したいものだ(音質にこだわるのだったらiPhoneを使わない方がいいという説もあるが。。笑)。
そしてデジタル化が進めば進むほど、カウンターカルチャーとして更にアナログレコードの音質も見直されるかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)