初めてのARM Macは復刻版12インチMacBookになる?

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Appleが22日から行われるWWDC 20(世界開発者会議)でMac用の独自設計のARMプロセッサについて発表するという噂が流れていますが、本日はApple関連のリーカー、Twitter名@choco_bitとしても知られるFudge(ファッジ)氏が、AppleがそのARMチップに切り替える方法や時期、そして理由についてRedditで公開しています。

Fudge氏のReddit上でのリーク投稿によると、最初のARM搭載Macは、Appleのサプライチェーンに流れる噂から、あの昨年2019年7月にディスコンとなっている12インチMacBookになるというのです。

12inch_MacBook
在りし日の私のMacBook 12インチモデル。上海で置き引きに遭いました。。

投稿には、その12インチMacBookは、「Macのプライマリプロセッサとして使用するために特別に設計された8〜12コアのA14Xチップを搭載した最初のデバイスとなる」とされています。ただ、Fudge氏はさらに、Appleが最近公式ストアで販売されているMacからは全て消し去られた、Appleの黒歴史ともいうべき「バタフライキーボード」を12インチMacBookで復活させるべく、製品の「完成」に向けて取り組んでいる「噂」があるとも伝えています。

この「A14X」という名前は、私独自に仕入れた某超有名台湾企業へ設備を納入している業者の知り合いから得た情報と同じです。ちなみに姉妹チップの「A14」はiPhone 12用、「A14Z」はiPad Pro用として、A14チップの3機種が同時に既にフル生産に入っているそうです。ただし、「A14X」の名称は仮称で、今後変わるかもしれないということです。

A14X搭載の12インチMacBookの外観デザインが変更になるかどうかについては明確ではなく、もしかしたら12インチMacBookは2019年7月にディスコンとなった最後のMacBookと全く同じような外観になる可能性はあります。なお、Fudge氏は5Gサポートがなされるかもしれないという情報も出しているのは少し興味深いですね。まさか物理SIMが入るようになるとは思えないので、eSIMのような形になるのでしょうか。

AppleがIntelから独自ARMプロセッサに切り替えることによって、消費者にとってはコンピュータのパフォーマンスが上がって消費電力が下がることからバッテリー寿命が向上するだけでなく、コストも低減する上に、OSとハードウェアの統合がより進化するために仔細に制御可能になるとFudge氏は書いています。同時に、IntelはAppleのサプライヤーから外れていくため、その評価が更に下がっていく可能性がある、とも予想されています。

またこれまでのiPhone/iPadシリーズに使用されていたAシリーズチップがMacに搭載されることで、macOSとiOSの統合化がより進むのではないかという見方もあります。ただし、それまでにはいくつもの段階を踏まないといけません。

まずは、macOSにおいて、かつてMacがApple独自のPower PCから現在のIntelチップに切り替えられた時のように、過渡期が必要となってきます。AppleがMacに標準で搭載しているアプリやMac App Storeでリリースしているネイティブアプリは問題ないと思われますが、サードパーティーのアプリとなると、対応が変わってきます。開発者は、暫くはARMバージョンとIntelのx86バージョンの両方をビルドしなければいけなくなるか、或いはエミュレーションモードを追加するなどの代替手段を実行しなければなりません。またMacはこれまでBootcamp機能でWindowsをMac上で動かせるようにしてきましたが、WindowsをMacのARMプロセッサで問題なく動かせるようにするまでは、Bootcamp機能が使えなくなる可能性もあります。

BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏は、Mac用のApple独自ARMプロセッサについては今年のWWDC 20で発表されるが、製品そのものは来年2021年にならないとリリースされないとしています。

もしかしたら、それは上記のような理由でmacOSのARMとIntel両対応による過渡期で問題が出ないように調整をしなければならないためかもしれません。上記の当方の独自ソースによると、チップそのものは台湾TSMCで順調すぎるくらい順調に製造されていて、製品化には「他のものが足を引っ張っている状態」ということです。となると、ハードウェアというよりもソフトウェアの問題があるのかもしれません。

個人的には、やはりこれまでの「Appleは初物には気をつけろ」という格言は今回も適用されるのではないかと考えます。上記の通り、Intel x86からARMチップへの切替には過渡期があり、その段階では多くのサードパーティのアプリケーションが正常に動作しなくなる、或いは動きが遅くなるなどの問題が考えられるからです。特にGoogleなどAppleと敵対する企業についてはその開発が遅れる可能性が十分にあります。例えば、iOS 13のダークモードへの対応に関しても、Google系アプリは他のベンダーのアプリに比べて格段に遅かったことが挙げられます。同様に、Mac版Chromeなどの対応はずっと遅れるかもしれません。

というわけで、すぐにARM版Mac(ARM MacBook 12インチ?)に飛びつくのはちょっと考え物かもしれません。とはいえ、個人的には12インチMacBookは持ち歩きには最強のデバイスだと思っていますので、メモリの搭載具合によっては検討してしまうかもしれません。人柱としても。。ただ持ち歩き用には既にMacBook Pro 13インチ(2018年モデル)も確保しているので、悩ましいところです。また12インチMacBookは以前の機種も値段が妙に高いのが難点でした。その辺のコスパもよく見る必要があります。Appleはコストが下がったとしても、製品の値段に反映する可能性は低いからです(iPhone SE 2など戦略的に価格を落とした例外は除く)。

ところで、12インチMacBookといえばやはり個人的には非常に「とんがった」デバイスで、正にAppleのシンプル・イズ・ザ・ベスト、日本語的には断捨離、余計なものを取り去る究極の禅の概念を具現化したデバイスだと思っています。冷却ファンをなくし、コネクタも徹底的にこそげ落として(USB-Cポート1つだけ)、特製のバタフライキーボードと感圧タッチトラックパッドを新たに投入。。まさに、かのAppleの創業者Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)の「偏執」と「究極」の思想を体現しているデバイスだとは思えないでしょうか?というようなことを以前も当ブログで書きました。

そのあまりにも実験的なデバイスであることや、あまりにとんがりすぎたせいで、利便性が失われた上に、コストパフォーマンスが悪かったことから、以前の12インチMacBookはディスコンという憂き目に遭ってしまいました。そして今回もARM独自プロセッサA14Xを搭載するとなれば、この実験的デバイスになるという噂がまた浮上してくるというのは、何か運命的なものを感じないでしょうか。

皆さんはARM MacBook 12インチモデルが出たらすぐ買いますか?

記事は以上です。

(記事情報元:Apple Insider

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