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今週、USPTO（米国特許商標庁）が、ハウジング構造・光学部品の窓部分のガラスやディスプレイに関する透明部材、その他のデバイス構造への損傷を防ぐための新しい保護コーティングに関するAppleの出願特許を公開しました。また、そのうちの1つ以上の技術をAppleは既に最新のiPhoneに適用している可能性があります。
この保護コーティングは、デバイス構造への損傷、例えばひっかき傷や落下、及びその他の衝撃による破砕などの損傷を防止するのに役立つとされています。
その保護コーティングには、ポリマー（マトリックスまたはポリマーマトリックスと呼ばれることもある）のような材料を挟んでもよく、またバインダー内に粒子を埋め込んでもよく、その粒子は保護コーティングの耐久性を高めるために高い高度を有してもよいとされています。
詳細はAppleの特許出願書類に含まれる以下の断面図6を見れば一目瞭然ですが、ハウジングなど表面構造の上に、様々な層の保護材が乗るような形となっています。
特許として特に強調されている部分は上図の#42の「保護コーティング（Protective Coating）」として表現され、その中には#46として二酸化チタンやその他の硬質なコアを持つ粒子を含むと描写されています。また#44のポリマーバインダーを形成する液体ポリマーは、アクリル、ポリエステル、TEOS（テトラエチルオルトシリケート）などの液体ポリマー前駆体、あるいは他の液体ポリマー（ポリマー前駆体）であり得る、とされています。
また、更にその保護コーティングの上には多層誘電層として、蒸着めっきのような手法で、ダイアモンドのような炭素構造の硬質層を形成することも描写されており、また更にその上にオプションとして保護層を追加できるともされています。
この保護コーティングは、iPhone、iPad、AppleWatch、MacBook、ヘッドフォン、AirPod、テレビ、ゲーム機、自動車（Project Titanのものと思われます）、その他のウェアラブルデバイスなどに適用できるとされています。
なお、Appleの特許出願は主に将来のデバイスに採用されるために行われることが多いのですが、今回の特許に関しては例外的に、既に販売されているデバイスに一部が適用されている可能性があります。
例えばCNETによると、この特許出願の4ヶ月後の2018年9月に発表されたiPhone XSに対して落下試験を行い、そこで明らかにディスプレイの硬度が前の世代のiPhone Xと比べてレベルアップしていることを実証しています。iPhone XSは5フィート（1.52m）の高さからコンクリート製の歩道に4回落下させる試験で、iPhone XSはフレームとカメラの側面に小さな凹みと擦り傷ができた以外は殆ど無傷だったのに対し、iPhone Xは腰の高さから2回の落下でディスプレイの両端にヒビが入り、小さいガラス片が飛び散ってしまったということで、明らかにiPhone XSにはiPhone Xよりも強くなっているのは間違いないようです。
先週木曜日（日本時間金曜日）にUSPTOによって公開されたこの保護コーティングに関する特許出願書類20190104625は、2018年第2四半期に出願されていたものでした。iPhone XS/XS Maxで恐らく既に導入されていることを鑑みると、今後、Appleは各製品にこの保護コーティングを用いていくのかもしれません。
この出願特許の発明者として、Appleは以下の2名を挙げています。
Matt Rogers：プロダクトデザイン材料/コーティング担当マネージャ
Marta Giachino：プロダクトデザインエンジニア
実際、iPhone XS/XS Maxのディスプレイは割れにくくなっているのか、またハウジング（シャーシ）はどうか、カメラのレンズ表面はどうか、iPhone XRや新しいiPad Pro/Airなどはどうか、など疑問はつきませんが、iPhone修理屋さんなどでは実際どうなのでしょうか。まだ新型デバイスはAppleの保証期間中なので、あまり持ち込まれることはないと思いますが。。
また、ディスプレイの表面を覆うガラス硬化技術もどんどん進んでいて、iPhoneに採用されているゴリラガラスも進化しています。そのおかげの可能性もあり、必ずしも上記の特許技術が既に使われていることが証明されているわけではありません。成分分析をすればわかることかもしれませんが。
ちなみに私のiPhone XS Maxもこれまで何度か地面に落としましたが、保護強化ガラスを張っていることもあるかもしれませんが、ディスプレイは無傷です。
記事は以上です。
（記事情報元：Patently Apple）