The Wall Street Journalの報道によると、Apple(アップル)は日本のソフトバンク(SoftBank)グループが新設するハイテク投資ファンド「SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)」に10億ドル(約1,160億円)を出資することを認めた。Appleはそのファンドへの投資が、同社が今後用いるであろう新しい技術開発に役立つと確信しているようだ。
将来10年、ソフトバンクの「SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)」はテック業界にとって最大の投資ファンドになりそうだ。ビジョン・ファンドの投資対象は新興ハイテクノロジー、例えばAI(人工知能)、ディープラーニング、ロボット及びインターネットに関するデバイスとされている。Appleにとっても、興味がある分野だろう。
Appleの広報担当(スポークスマン)のクリスティン・ユゲ(Kristin Huguet)氏は、ウォールストリート・ジャーナルに対し、以下のように語っている。
「当社にとって戦略上重要となり得る技術の開発が、新ファンドにより加速すると確信している」とし、アップルはソフトバンクと長年協力してきたと述べた。
引用元:ウォールストリート・ジャーナル
ソフトバンクはこのファンドに1,000億ドル(約11兆6,430億円)以上の調達を目標に掲げており、数週間以内に正式に立ち上がるとみられている。ソフトバンク自らも250億ドル(2兆9100億円)の出資をするほか、サウジアラビア政府からも450億ドル(約5兆2,400億円)の出資を既に受けており、更に米半導体大手クアルコム(Qualcomm)やアブダビ政府系ファンド(SWF)、そしてカタール投資庁とも投資に関する協議に入っている。
画蛇添足 One more thing…
ソフトバンクは昨年チップメーカーの大手ARMや、アメリカの携帯キャリアSprintを買収したことでテック業界のみならず世界中でニュースになった。今回のビジョン・ファンドも大きなニュースだ。
中東政府系ファンドの投資が多い中、今回Appleが動いたことで、このファンドの成功率は更に高まることが期待される(Appleの投資額は目標投資額の1,000億ドルに対して100分の1で、持ち分が多いわけではないが)。
AppleのiPhone(当時iPhone 3G)を日本に当初キャリアとしては独占で輸入してきたのもソフトバンクの孫正義の熱意があってこそ。ソフトバンクとAppleの蜜月関係は今後も続いていくのだろう。
記事は以上。
(記事情報元:The Wall Street Journal)