日本時間10月28日未明に行われた新製品発表スペシャルイベントでリリースが発表された、新しい13インチ/15インチMacBook Pro。今回の新型MacBook Proの最大のイノベーションは、マルチタッチバーの搭載、そしてESCキーの廃止、Touch IDの導入で、これらはMacBook Proに非常に便利なショートカット操作をもたらし、操作の効率を上げてくれるだろう。
新型MacBook Proでは外部とのコネクタに大胆な変更が行われている
そして外部とのコネクタ関係でも大胆な変更が行われている。新型MacBook Proでは、USB-C Thunderbolt 3コネクタのみが搭載されていることだ(例外としてヘッドフォンジャックは残っている)。このことはコネクタのIO性能を引き上げると共に、多くのMac互換外付けデバイスと直接繋げないという状況を生み出してしまう(USB-CからUSB-Aやその他の変換アダプタを別途用意する必要がある)。
MagSafeが廃止に!
また今回Appleは大胆にもMagSafeというマグネット(磁石)式のスマート電源コネクタを廃止した。これもまた、充電ケーブルがより美しくなり、優雅でより安全なイノベーションの基準となるとみられている。
MagSafeは今後のMacBookには搭載されない
MagSafe、この言葉にはイノベーションと知恵が込められていた。溢れるばかりの価値を持ったその発明も、とうとうその終わりの時期を迎えることとなったようだ。Appleは新しいMacBook Proで、この優雅さとスマートさを兼ね備えたコネクタを、USB-Cによって取って代わらせようとしているのだ。これは一つの時代の終わりを明示しており、将来的にAppleが発表するノートパソコンにはMagSafeは搭載されず、USB-Cに統一されていくものと思われる。
MagSafeは偉大な発明だった
10年前の2006年の発表以来、MagSafeは多くの人がPCからMacに買い換えたいと思わせる特徴の1つだ。なぜなら、このMagSafeは人々の現実的な需要と密接な関係があるからだ。例えば、あなたが2000ドル(約20万円)かそれ以上で1台のノートパソコンを購入したとする。ある日それが壁の近くで充電していて、不注意で電源ケーブルに触れてしまうと、この高いノートパソコンが地面に落ちて様々なところが壊れてしまう憂き目に遭わないとも限らないのだ。
誰もがそんなことは望んでいない。しかしMagSafeは正にそんな問題を解決するために生まれてきた。カチャッという音と共にMagSafeのコネクタとMacBookがピタッと繋がるのだ。しかしそれは完全に固定されることを意味しない。もし誰かが充電ケーブルにけつまずいたとしても、ケーブルが断裂することも、MacBookが地面に落ちて壊れる心配はない。なぜなら、充電ケーブルに力がかかると、磁石でくっついていた部分は離れ、充電ケーブルそのものやMacBookに力がかかることがないからだ。
そしてMagSafeが搭載されたデバイスを1回でも使ったことがある人は、電源ケーブルをノートパソコンに”物理的に差し込む”ということが逆に想像できなくなってしまう。このような体験をしてしまうと、誰もが元の古いノートパソコンに戻りたくないと感じてしまうだろう。
初期のMagSafeには不具合があったことも
ただ、MagSafeも完璧というわけではなかった。初期のMagSafeのコネクタは棒形だったが、これは、摩耗と発熱を生むことになり、2009年には訴訟まで招いてしまった。その後MagSafeのコネクタはT型に改良され、MagSafeポート全体を完全に覆うようになった。そして2012年、更に薄型化し、発熱などの問題を解決したMagSafe 2がAppleからリリースされていた。
画蛇添足 One more thing…
MagSafeがなくなった後のUSB-Cでの接続は、Retina MacBookで既に体験済み(というより現在でもこの記事を書いているのはMacBook)だが、確かにUSB-Cは上下の区別がないため挿入は容易ではある。ただ、以前MagSafeが見事に解決した、コードを脚に引っかけたりした時などに本体の落下を防ぐ、という問題が再発してしまうことになる。。今のところMacBookではそのような不幸なことは発生していないが、今後発生しないとも限らない。ちょっとビクビクしている。
それよりも、どんどんスティーブ・ジョブズ時代のものが削られているような気がしている。今回の新型MacBook Proで、ディスプレイ背面のAppleロゴのLED発光も廃止され、Retina MacBookと同様鏡面仕上げとなっていることも、同様にAppleが伝統からの脱却を図っているようにみえる。
記事は以上。
(記事情報元:The Verge)