今のMacBookシリーズは殆どがThunderBolt 3ポートを備えているため、外部グラフィックカードに接続できる可能性があります。MacBookはゲーム用マシンとしては適していないとされていますが、外部グラフィックカード接続には一定の需要があります。そんな中、昨日2018年1月25日未明にリリースされたmacOS High Sierra 10.13.4 beta 1の中で、Appleが外部グラフィックカードに接続サポートを強化したことがわかりました。
9to5Macの報道によると、以前Appleは、2018年春にMacシリーズに、更に優れた外部グラフィックカードへの接続サポートを実現させることを約束していたということですが、最新のmacOS 10.13.4 beta 1で、その約束を果たしたことになります。具体的には、以下が増強されています。
- 外部グラフィックカードボックスへのホットプラグインやホットスワップが可能に。これによってユーザのログオフをしないと外部グラフィックカードを取り外したり交換できなかった仕様が改善
- 最新のグラフィックカードメニューとボタンを追加
- ついにRadeon RX Vega 64 GPUのシステム情報を検出可能に
- Vega 64グラフィックカードのファンがデフォルトで最速回転になっていた点を修正
この中でもホットプラグイン・ホットスワップ機能の追加が最もキーとなる変化といえるでしょう。またAMDグラフィックカードの最適化も大きな要素です。ただ上記の9to5Macの記者によると、iOS 10.13.4 beta 1の外部グラフィックカードのサポートはまだ不足な点があるということです。例えば安定性がまだ足りず、グラフィック性能が100%発揮できない、などです。また内部ディスプレイの外部グラフィックカードのサポートも依然としてよくなく、MacBookのRetinaディスプレイであろうとiMac Proの5kディスプレイであろうと、グラフィックカードのドライバが通信のほとんどを占めてしまい、それによってシステム速度が非常に遅くなるそうです。ということで、もし外部グラフィックカードをスムーズに使いたい場合は、外部ディスプレイを使う必要があるとのことです。
Appleの外部グラフィックカードへの接続性能についてはまだまだ改善の余地があるものの、今回のアップデートはやはり非常に重要なものといえそうです。ただ、macOS 10.13.4 beta版はあくまでデベロッパ向けの評価用ベータ版なので、メインマシンにインストールすることはお勧めできません(もちろんデベロッパであればそのくらいは当然わきまえているとは思いますが)。
ちなみにiMac ProにこのmacOS 10.13.4 beta 1をインストールすると、SDカードリーダーを認識しなくなるという不具合が報告されています。
と、色々書きましたが、結局のところ、Radeon RX Vega 64はご存じの通り仮想通貨(のうち特にMonero)のマイニングに使われる方が多いのではないかと思います。MacBookやiMac Proなどをメインマシンにしてマイニングする人にとっては、macOS 10.13.4 beta 1はありがたいのでしょう。ただ最近仮想通貨全体の単価が下がっているので、どのくらいで回収ができるかどうかは不明になってきました。。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)