世界12カ国の今年前半期スマホシェアからわかる2つの傾向

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最近のマーケティングリサーチ機構Kantar Worldpanel ComTechが発表した最新のスマートフォン調査結果によると、世界12カ国で集めたマーケティングデータから、今年前半年の世界スマートフォン市場に面白い傾向が見られるという。当記事は中国のメディアiFanrの記事の意訳で、上記の雑多な情報の中から2つのポイントに絞っている。1つ目はスマートフォンメーカーやOS陣営の変化、そして2つ目は中国と米国の市場の競争シェアの比較だ。

Kantar_Worldpanel_Smartphones_OS_Share

ヨーロッパと米国のスマートフォン陣営の趨勢の変化

今年の第二四半期で、iPhoneはヨーロッパ(EU)地区でも強い情勢を保ったままだ。iPhoneはEUの5大市場、イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペインで健闘している。イギリスでは5.5%成長し5大市場のトップとなった。最も成長が遅いイタリアでは0.1%だった。5大市場のAndroidへの感情は少々複雑で、2015年頭にAndroidはドイツで昨年同期比6.2%の大幅減となり、イギリスでは6.1%、イタリアでは3.9%の減少となった。

米国での状況はヨーロッパとは正反対で、Android陣営の成長が強く、Appleの売上げは大幅減となった。Androidの増加はSAMSUNG(サムスン)とLGのAndroid2大メーカーの強大な需要によるもので、LGの米国市場での成功はお膝元の韓国よりもすさまじく、北米での売上げは36%も増加している。

米国で強さを見せるAndroid市場はますます集中を強めており、現在SAMSUNGとLGの2社だけで米国の78%のシェアを持っている。そのうちLGの成長度合いはすさまじく、”LGは初めてスマートフォンの消費者をSAMSUNG以上に惹きつけた”と報告されている。

そして米国ではiPhoneの市場シェアが30.5%に下がり、昨年同期比で2.3%下落した。しかし米国は今回の調査対象の12カ国の中で唯一iPhoneのシェアが下がった市場だ。iPhoneはヨーロッパで全体的に上昇しただけではなく、その他の地方でも成長している。オーストラリアでは9.1%、中国では7.3%成長し、既に飽和状態の日本でも2.7%の成長となった。

消費者がiPhoneとAndroidのどちらの陣営を選ぶかは、スマホ購入の購買の際の動機によって変わってくるようだ。レポートによれば、世界のAndroidのユーザの中で、43%が”コスパが高い”ということを主な購買動機としているという。それに対してヨーロッパのAndroidユーザは、多くの人がディスプレイサイズを主な購買動機としているという。なお、iOS・iPhoneユーザには特に多数派の購買動機はなくばらけているが、OSの安定性、端末の材質などが購買の動機となっているようだ。

ヨーロッパの人々はディスプレイが大きいデバイスが好きということがAndroidを選択する主な理由となっており、この特性はiPhone 6 Plusをリリースする前のApple iPhoneにはなかったもので、それが原因で以前iPhoneはヨーロッパで振るわなかったという背景がある。しかしiPhone 6 Plusによってディスプレイサイズの差がなくなったことから、Appleは抑制されていたiPhoneへの大画面需要を徐々に掴んでいるというような状況だ。

中国のスマホメーカー間の競争が更に激しく

世界から注目される成長市場の中国。中国のAndroid市場は今でも人気が爆発しており、現在市場シェアが最大なのはファーウェイ(Huawei、華為)とシャオミ(xiaomi、小米)だ。ファーウェイのhonor 4X、honor 6、honor 6 Plusの3種類のスマホはいずれも中国のスマホ人気ランキングトップ10に入るほどの人気だ。このhonor(荣耀)シリーズの成功をうけて、ファーウェイは現在中国スマートフォン市場で最も人気のあるメーカーとなっている。ただ四半期ベースで見れば、マーケティング会社Canalysの調査結果によれば、今年第二四半期でシャオミが15.9%とファーウェイの15.7%を少し超えており、シャオミがNo.1となっている。ちなみにAppleのiPhoneは3位に甘んじている状態だ。

いずれにせよ差は殆どなく、中国では現在はファーウェイとシャオミが並んでトップといっても過言ではない。ただ特筆すべきは、シャオミとファーウェイを足した市場シェアの31.6%も、米国のSAMSUNGとLGの市場シェア合計に比べたら大きくはなく、中国のスマートフォン市場の集中度はあまり高くないといえる。このような状況では小さなスマホメーカーも競争に入りやすくまた生き延びやすい。が、当然メーカー間の競争はますます激しくなっている。正に群雄割拠の状態だ。

多くのメーカーが営業戦略、外部提携、新製品発表イベントなどの仕事に余念がなく、中国の大衆向けスマートフォン市場の競争はデータの力を借りるまでもなく中にいれば感じることができるほどだ。そして争いの後には、弱者は消え去り、そして強い者が更に強くなるだろう。

画蛇添足 One more thing…

iPhoneのファンはやはりiPhoneの選択性の容易さと、安定したOSを求めて買っているのだなと感じる。ただやはり価格が高くハイエンド扱いとなっているため、ミドル以下の市場がとりにくい。その状況でこれだけのシェアを誇っているのは実はすごいことであったりするのだ。

ちなみに韓国でもiPhoneのシェアが伸びており、2年前は14%だったのが現在は40%にもなっているという。7月末に行ったときには、確かにソウルの町中でiPhone 6やiPhone 6 Plusを使っている人をよく見かけた。中国と同様、SAMSUNGの凋落がその背景にあるのだろう。

記事は以上。

(記事情報元:iFanr

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