今年こそAppleはThunderboltディスプレイをアップデートするという噂が流れていた。なぜなら2011年から5年もAppleはこの製品をアップデートしていなかったからだ。
しかし9to5Macの報道によると、Appleは本日メディアに対して、Thunderboltディスプレイはもう製造しないと宣言した。つまり、Thunderboltディスプレイに対して死亡宣告がなされたのにも等しいのだ!
Appleのスポークスマンはメディアに対し、「私どもはThunderboltディスプレイの生産を終了します。しかしApple StoreやAppleのプレミアムリセラーは、販売を続けてもらいます。在庫の販売終了まで。Macユーザはその他の素晴らしいサードパーティの製品を選ぶことができます」と話している。つまり、AppleはThunderboltディスプレイの終わりを宣言し、他社製のディスプレイを勧めているというわけだ。
これまでのアナリストの予測では、Appleは4KクラスのThunderboltディスプレイを発表するものとみられていた。また、次世代Thunderboltディスプレイは内部にグラフィックカードを搭載し、MacBookのような非力なデバイスでも4K画像のアウトプットが問題なく行われるようにするという噂もあった。またAppleは更に5Kレベルのディスプレイを開発中という噂も絶えることがなかった。また、先日行われたWWDC 2016直前に、Apple Store上でThunderboltディスプレイの在庫が減少していたことから、WWDC 2016で新しいThunderboltディスプレイがリリース発表されるのではないかという噂も出ていたほどだ。
それだけの噂が流れていたにも関わらず、WWDC 2016にはThunderboltディスプレイは影も形もなかった。そして今回のスポークスマンの発言。そう、とうとうAppleのThunderboltディスプレイは終焉を迎えるのだ。もしあなたが「骨董品」のディスプレイが好きなのであれば、今在庫があるうちにApple Storeで買い求めておくことをお勧めしたい。
テクノロジー製品の代替わりは凄まじく速く、残酷なものだ。Thunderboltディスプレイは更新がないまま5年もち、自らの歴史的な使命を果たしたといえる。現在となっては、Thunderboltに代わる技術は他にあるし、既にiMacがここまで薄くなり、また27インチサイズでは5Kクラスまで実現している中、ぼてっと分厚いThunderboltディスプレイは明らかに時代遅れだ。
AppleがそんなThunderboltディスプレイに退役してもらい、それに代わる新製品を導入しようとするのは、全く何も不思議なことではない。または、Appleはもしかしたらディスプレイそのもののビジネスから手を引くかもしれない。
Thunderbolt自体が既にレガシーのテクノロジーとなり、Appleはそれを切り捨てていくのだろう。Appleは最先端テクノロジー企業であるが故に、そうしていくしかないのが宿命だ。
今後、Appleの展示品の中で、Thunderboltディスプレイは希少さを増していくだろう。
記事は以上。
(記事情報元:9to5Mac)