中国最大のキャリアにして世界最大のユーザ数を抱えるキャリア、チャイナモバイル(China Mobile、中国移動)が、とうとうiPhoneでもVoLTEに対応することになった。中国のテック系メディアWeiPhoneのフォーラムで、“楼楼TAP”というユーザがiPhoneでのVoLTEの使い方を書いているのでご紹介。
VoLTEとは
【VoLTE】は日本では各キャリアでもとっくに始まっているので既におなじみの【Voice over LTE】のことで、一種のIPデジタル伝送技術だ。
2Gと3Gは必要なく、4G(正確にはLTE)ネットワーク上のみで、データと音声を同じネットワーク下で統一できるという特徴を持つ(つまりこれまでは4G・LTEでデータ通信を行っていて、音声通話の受発信があると2G/3Gにつなぎ直していたのが、その必要がなくなるということだ)。VoLTEの技術で4Gネットワーク上で映像チャット通話なども可能となる。
“キャリアアップデート”によってVoLTEが使用可能に
AppleはiOS 9.2のアップデートでキャリアアップデートを施し23.0から23.1になった。チャイナモバイルユーザは、電話アプリ上で留守番電話機能が使えるようになった。これはVoLTEへの準備となった機能の追加で、圏外の場合や電話が鳴っても出ない場合或いは通話中の場合通話を転送する機能、そして受けた電話にユーザが自らの声で録音が流れるようにすることなども可能だった。
そして数日前、チャイナモバイルのキャリアアップデートが23.2となり、これでようやくVoLTEが使えるようになったということだ。ちなみにチャイナモバイルは昨年11月頃に既にVoLTEのサービスが使えるようになっており、Androidなどでは使えていた。iPhone用にはようやく数日前にキャリアアップデートを配布した形になる。
チャイナモバイルVoLTEを使用するためのiPhone端末とシステムの条件
チャイナモバイルのVoLTEを利用するには、以下の条件が必要だ。
- iPhoneの機種:iPhone 6/6 Plus或いはiPhone 6s/6s Plus
- iOS 9.2.1以上
iPhone+チャイナモバイルのSIMでVoLTEを使う手順
iPhoneにチャイナモバイルのSIMを挿しっぱなしではVoLTEを使えるようにならないようなので、上記でご紹介したフォーラムで解説されているiPhoneのキャリアアップデートをやってみよう。
- iPhoneにチャイナモバイルの4G SIMを挿入し、ネットワーク通信ができる状態で設定>一般>情報と進むと、キャリアアップデートを促されるので、OKを押せばアップデートされる。
- 4G VoLTE機能をキャリア側でオンにする。SMSで、電話番号10086(チャイナモバイルの公式統一電話番号)にktvolte(2016/3/2訂正、Special Thanks: BOBさん)と送ると開通される。
- iPhoneで設定>キャリア>モバイルデータ通信>4Gをオンにすると、”オフ”、”音声とデータ通信”、”データ通信のみ”の3種類を選べるので、真ん中の”音声とデータ”を選べばVoLTEを起動できる。”データ通信のみ”はVoLTEをやめてデータだけにし、”オフ”は4G通信そのものがオフになる。
- iPhoneを再起動すれば使用可能になる。
その他注意事項
- 電話をかけたときに、表示が4Gのままであれば、アップデート及びVoLTEの起動が成功したことになる。現在は音声のみで、映像チャットには対応していない。
- VoLTE上での音声通話料金は時間による従量課金制で、基本的にこれまでの2G/3Gによる通話と変わらない。将来的に映像チャットが可能になった場合は、別の料金体系が導入されるかもしれない。
- 現時点ではVoLTEでは着信お知らせ機能や留守番電話機能などが使えない。
※なお、私自身は脱獄をしているため、iOS 9.0.2に止まっているので試していない。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhoneフォーラム)