Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズの親友といえば、億万長者でテック界の巨頭、オラクル(ORACLE)の創業者ラリー・エリソン(Larry Ellison)は必ずそのうちの1人としてあげられるだろう。
今回の物語はジョブズの主治医から始まる。その人の名は医師のDavid Agus博士だ。Agus博士はジョブズの主治医として、ジョブズとの会話を思い出すという。それはAgus博士がジョブズが正に脾臓がんで死のうとしているときに、「どうして私を試してみようとしないのですか?」と言った一言だ。
なぜそのようなエピソードから話が始まるかって?実は水曜日に行われたUSC募金会にて、ラリー・エリソンが全く新しいがん研究センターに2億ドルを投じることを発表したからだ。
そしてこのラリー・エリソンの寄付は、USC(サウスカリフォルニア大学)が受け付けた寄付の中で最も大きな金額となった。新しいがん研究センターはタンパク質組成学、遺伝学、ナノテクなどの分野で専門的な研究が行われる予定で、研究センターは新しいがんの治療方法を試すことで、がん治療の方法を変えようとする目的があるという。
この研究センターには様々な分野の専門家が集められる。例えば物理学、生物学、数学などだ。
David Agus博士は、このような新しいがん研究センターを作ろうと考えた原因はやはりスティーブ・ジョブズにあるという。2年前、Agus博士がラリー・エリソンと話をし、その際に新しいがん研究センターの話題になった際に、ラリー・エリソンはチャンスさえあれば絶対そのプロジェクトをサポートすると約束したという。そしてエリソンはその自分の言った言葉を実行に移し、約束を守ったというわけだ。
なぜエリソンがそこまで新しいがんセンターをサポートするのかについてはよくわからないが、それも自身の親友だったスティーブ・ジョブズをがんでなくしたからかもしれない。しかもその新しい医療センターをその親友の主治医だった人がやるわけだから、というわけだ。このがん研究センターは6ヶ月以内に立ち上がる予定とのこと。
画蛇添足 One more thing…
菜食にこだわるなどもともと自分の生活のスタイルは自分でかたくなに守っていたジョブズが、結局化学療法を拒否し自然療法にこだわりすぎたために寿命を縮めたというのは有名な話だが、そんなジョブズを救えなかったという後悔と反省が主治医だったデイビッド・アグス博士とラリー・エリソンに新しい形のがん研究センターを立ち上げようという気持ちを起こさせたのかもしれない。
父親をがんで亡くしている私個人としても、このがん研究センターが一日でも早く大きな研究成果をあげ、より多くのがん患者に希望を与えることを心から望む。
記事は以上。
(記事情報元:Fortune)