世界最高の価値を持つ会社、AppleのCEOとして、ティム・クック(Tim Cook)は面接の際には相手にどんな態度や対応をするのだろうか?以前AppleにもGoogle(グーグル)にも勤めたことがあるKim Scottさん(女性)によれば、面接中クックCEOは比較的黙って話を聞いている方で、その”沈黙の力”が逆に面接相手に与えるプレッシャーを倍増させているという。
Kim Scottさんは、「ティム・クックは静かに傾聴する人、という感じです。Appleの面接の時、ある人が”ティムは面接の時はとても静かなので、そこに影響されないように”とアドバイスをくれたことがあります」
Scottさんの回顧によれば、面接の時クックは彼女がグーグルで仕事をしていた時に犯した最大のミスは何ですか、と質問をしたという。「面接の時、ある人がアドバイスをしてくれましたが、私はそれを気にもとめていませんでした。そのため、クックが静かに聞いてくれている間、私はとても素直になりました。面接中、当時全く面識のない相手に対して、私はちょっと正直に話した内容が多すぎたかも知れません。話が口元から出かかった時に、はじめて私は、これでこの仕事を失ってしまうかな、と意識したのです」
幸いにも(?)当時地震が発生し、ScottさんがクックCEOの面接を受けていたAppleの本部ビルが揺れた。Scottさんは面接官になぜこのビルはこんな変な揺れ方をするのか、と尋ねたところ、それまで沈黙を保っていたクックCEOと他のエンジニアはたまらず彼女にApple本部の耐震構造について話だし、その設計がどのように作用するのかについて解説したという。
Scottさんの面接は成功に終わった。そうでなければScottさんはAppleに就職することはできなかったからだ。
クックCEOの「静かなる傾聴者」というやり方は、面接する相手がいつもよりも素直で誠実になり、そして面接に思ってもみなかった効果をもたらすのではないだろうか。
そしてその面接相手に対する態度は、面接相手や取引相手をバカにしたり威圧したり、時には挑発するような態度や言動をとっていたといわれるAppleの前CEO、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)とは全く正反対のやり方だといえるだろう。
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(記事情報元:Business Insider)