一昨日リリースされたiOS 10.3。既にiOS 10.3ではベータ版の段階で32bitアプリに対して将来のバージョンでは使えなくなる旨の警告が出ることが知られていたが、今回iOS 10.3正式版へのアップデートの際、32bitデバイス(iPhone 5/5cとiPad 4)では、OTAアップデート(Over The Air、デバイスの設定>一般>ソフトウェアアップデートからのアップデート)が不可能となったことが多くのユーザからの報告で判明している。
32bitデバイスにはそもそもiOS 10.3アップデートが通知されない。Apple公式もiTunesでのアップデートを案内
OTAアップデートが不可能になったというのは、アップデートが途中で失敗するわけではなく、そもそもiOS 10.3アップデートがデバイスに表示されないからだ。AppleはSupportの公式Twitterで、「私のiPhone 5にiOS 10.3アップデートが通知されない」という質問に答える形で、iTunesでアップデートすることを勧めている。
@arishmatic We’ll help you check for an update! Let’s see if there’s an update for your iOS in iTunes: https://t.co/80YRnjDFDk
— Apple Support (@AppleSupport) 2017年3月28日
iTunesのアップデート方法はOTAより少々面倒ではあるが簡単だ。母艦でiTunesを起動してiOS 10.3にアップデートしたい32bitデバイスをUSB接続し、アップデートを確認ボタンを押せばOKだ。ただし、かなり大きな容量のipswファイル(オリジナルファームウェア、OFW)のダウンロードが必要なので要注意。時間に余裕がある時にアップデートした方がいいだろう。
32bitデバイスへのサポートの打ち切りを着々と進めるApple
今回のiOS 10の途中で32bitデバイスがOTAアップデートできなくなったことは、32bitデバイスのサポート打ち切りをAppleが着々と進めていることを意味している。
本日リリースされたiOS 10.3.2(iOS 10.3.1はスキップされている)デベロッパ向けベータ版では、上記のiPhone 5/5cとiPad 4がサポートされていない(そもそもipswファイルが用意されていない)。ということは、iOS 10.3.2正式版以降は、iOS 11の登場を待つことなく32bitデバイスのサポートが打ち切られ、iOS 10.3.0が最終版になることが考えられる。
画蛇添足 One more thing…
Appleが32bitデバイスやアプリのサポート打ち切りを進めている理由は、セキュリティのためや、今後のVR/AR導入によってより負荷がかかると思われる新しいデバイスのより安定した動作、また肥大化しているipswファイルの容量削減のためだと思われるが、iPhone 5やiPad 4はまだまだ現役で活躍できるほどの性能を持つだけに、個人的には少々悲しい感じがする。
記事は以上。