サムスン、Galaxy Note 8の新広告でiPhone Xを含む歴代iPhoneをディスる

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iPhone Xが先週金曜日に正式販売が開始されましたが、Appleのライバルともいえるサムスン(SAMSUNG)が本日、フラッグシップモデルGalaxy Note 8の新しいCMを発表しました。その新しい広告では、iPhone Xの”前髪”デザインやイヤホンジャックがないことなどいくつかの欠点をディスった、明らかな比較CMとなっています。

サムスン、明らかな比較CMをリリース

“Grow up with an upgrade to Galaxy(Galaxyのアップデートと共に成長)”と銘打たれたこの広告では、主に1人のアメリカの若者が、年齢を重ねるに従って成長し、最終的にはAppleファンだったのがサムスンのGalaxy陣営に切り替わる、という物語を描いています。途中からサムスンのGalaxyを使っている彼女が登場し、その比較はあからさまなものになっていきます。

このサムスンの広告では、この若者が歴代iPhoneを使用しているのですが、それぞれの世代の機能の変化について諷刺しています。例えばPhone 3GSでは内蔵メモリ不足が指摘され、写真がうまく保存できなくなっています。またiPhone 5sではタッチペンによる入力がサポートされていないことが指摘されています。2016年のiPhone 6sでは、彼女と一緒に誤って水に落ちてしまったときに、Galaxy S7 Edgeは問題なく使用していましたが、iPhone 6sは防水ではなかったため捨てられたことなどが描かれています。

そして2017年、この若者はiPhone 7で大きなアダプタを使ってiPhone 7で音楽を聴きながら充電しているときに、彼女のGalaxy S8はワイヤレス充電機能が既に備わっていました。そんなわけで彼はiPhone 7を引き出しにしまって、Galaxy Note 8を使い始めます。

極めつきは広告の最後に、彼はApple StoreでiPhone Xを並んで購入しようとしている人々を映し出し、そのうちの1人の前髪がiPhone Xの前面デザインの”前髪”を諷刺しています。

samsung_iPhoneX_dis

なお、サムスンのこのようなiPhoneへのディスりは何度も行われていることです。サムスンは先月にも、Galaxy S8の広告で有機ELディスプレイを打ち出していましたが、その広告は正にiPhone Xの予約開始の1日前でした。更にiPhone 6のリリース後、サムスンは明確に、Appleが大型ディスプレイを搭載したスマートフォンを初めて販売した会社ではないことを指摘しています。それ以前にも、サムスンはiPhone 5のバッテリー持続時間が短いことも指摘したことがあります。

CMの指摘は確かに間違っていない。。しかし。

確かに、Appleは最近はほぼサムスンやその他のAndroidスマートフォンの後追いで機能を導入しているきらいがあります。iPhone XのFace IDも、確かに機能上は非常に優れていますが、同じ機能は既にサムスンなどが去年から搭載していました。Appleは最速は狙わないが最良を狙う、とAppleのティム・クックCEOが以前インタビューに答えています。

ただ、AppleユーザがAppleに求めているのはやはりイノベーティブな製品なのかもしれません。それはデザイン面でも、機能面でも同じ事です。デザインが4年変わっていないiPhoneは飽きられました。そして満を持してデザインを変更し、非常に事前の期待値が高かった【iPhone X】は発売後二日目という意外なほど早いタイミングで、香港でもプレミア価格がつかなくなっています。香港のプレミア価格はその端末の特に世界第二の市場である中国の人気度を如実に表しているといえるため、iPhone Xは相当ピンチかもしれません。また現在中国大陸でもストア受け取り予約では簡単に予約が取れてしまう状況です。

比較CM、会社の品格の問題かもしれない

Appleの製品が後追いになってしまっているのは確かですが、そもそもスマートフォンの形を決定づけたのは10年前にスティーブ・ジョブズが自ら発表した初代iPhone(iPhone 2G)であることも確かです。サムスンはiPhone以前にはハードウェアキーボードを搭載したタイプなど、様々なスマートフォンを出していましたが、iPhone以後はどう見てもiPhoneをパクったとしか思えない形のものに統一しています(他のメーカーも全てそうですが)。またAppleは、iPhone 5sでは世界に先駆けて完全に64bitで動作する端末をリリースしています。

それに、iPhone Xのディスプレイも100%サムスンディスプレイ製です(OEMではありますが)。批判するなら、その製品に与しなければいいのに、表では攻撃しながら水面下ではAppleの受注をとっているその姿勢はどうかと思います。更に、サムスンは昨年Galaxy Note 7でバッテリーの爆発問題を引き起こし、製造停止に追い込まれ、世界中で名指しで飛行機への持ち込みや預け荷物への梱包を拒否されるなど、非常に痛い失敗をしています。Galaxy Note 7はその後バッテリー問題を修正したバージョンをリリースしましたが、やはり爆発の影響が大きく大量に売れ残っています(韓国に大量の在庫があることを確認しています)。その起死回生策として、次の世代のGalaxy Note 8では必死にiPhone Xをディスっているように見えてしまいます。

いずれにせよ、サムスンのこのようなあからさまな比較CMを出すという一種の”下品”なやり方は、正直会社としての”品格”を下げるものであると私は個人的に考えます。自分たちが最初にiPhoneをパクったことは棚上げにして、その後拙速に新しい機能を導入していることをアピールされてもなあ、と思ってしまいます。

やっぱりそこに企業の”お国柄”が出てしまうんでしょうか。。私も海外生活が長いもので、あまり国での差別はしたくないですし、同社がR&D(研究開発)に相当な費用をかけていることも認めます。しかしこのような広告を出すような会社の製品は正直買いたいとは思いませんね。

Appleは今後も黙々と、他人のことを気にせずに自分のイノベーションをやっていればいいと思います。私自身は、確かに批判的なこともいいますが、それはAppleの製品にもっとよくなってほしいという一心で、正にApple愛によるものです。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac

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