数日前に発生した銃撃事件で、アメリカの警察は一台の爆弾を備えたロボットを出動させ、狙撃手だった容疑者を爆死させた。
この銃撃事件はアメリカのダラスで発生した。狙撃手はMicah Johnsonという名の退役軍人だった。ダラス警察のブラウン局長は、当時その狙撃手が連続して5人の警察官を射殺、また負傷も7人も出たので、更に多くの警察官が被害に遭わないために、“他の選択肢がなく、ロボットをやむなく出動させた”という。
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ダラス警察によれば、今回出動したロボットはノースロップ・グラマン(戦闘機・航空機の製造開発で有名)が開発したもので、自動車爆弾などの脅威に対抗することができるという。警察は容疑者と対峙している間、リモコンでこのロボットを容疑者に近づけ、そして爆弾に引火したとのこと。
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この事件が注目されているのは、これがアメリカで発生した、警察がロボットによって容疑者を殺害した初めての事件だったからだ。
事件が発生した後、グラマン社はこれについて何もコメントを発表していない。しかしダラス市が2015年10月に公開したレポートでは、ダラス警察には既に少なくとも3台の爆弾ロボットが配備されていることがわかっている。またロイター社のアメリカ国防省資料の調査によって、ペンタゴンは2005年から、特別予算による配備計画によって、451台の爆弾ロボットを連邦警察と各州の警察署に配備していることも判明している。
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これはつまり、今後暴力事件やテロが起こった時に、更に多くのロボットが現場に派遣され、比較的危険な任務でその力を発揮するということを意味する。しかし、警察がロボットを使うことについて、不安を覚えるような分析もある。
人権観察組織のヒューマンライツウォッチ(Human Rights Watch)とハーバード大学の国際人権研究センターが2014年に発表したレポートでは、行政部門が自主的に武器が使用可能になることに注目されており、警察が安易に暴力に頼って取り締まりにあたるようになるのではないかと危惧されている。
カリフォルニア州立大学の法律学部のElizabeth Joh教授は、こう述べている。
警察がロボットを使って殺人を行ったことは、これから各種の法律、道徳そしてテクノロジーの問題を引き起こすだろう。
画蛇添足 One more thing…
まさに、あの映画【ロボコップ】の前の一歩手前の世界が実現したような感じがする(ちなみにロボコップはデトロイトだった)。
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ロボットによる殺人に関する法律は今のところ存在しない。今回は人間によるリモートコントロールによるロボット操作だったため、もし誤動作などをして違う人を殺してしまった場合などもその操作する人間の責任になるのだろうが、特にこれからAIを搭載し自主的に動くロボットが現れ、そのロボットが暴走などして善良な一般市民を殺害してしまった場合は、一体誰が責任を負うのだろうか?法が整備されていなければ大変なことになるだろう。
また逆に犯人側がロボットを使った殺人などの犯罪も増えていくことだろう。もちろんロボットだけではなく、自動運転システムで人が死んだ場合にも同じような問題になるだろう。現に、既に先日テスラの自動運転システム(あくまで補助レベルではあるが)で運転されている車によって、世界で初めて実験段階ではなく実用段階で一般人がひき殺されている。今後このような事件はますます増えるだろう。
テクノロジーの発展と技術革新を妨げないような、ロボット関連の法整備と規制(ロボット法)、このバランスが今後いかに保てるのかに注目だ。鉄腕アトムのような「心優しくて力持ちで正義の味方」みたいなロボットが出てくれればいいのだが。。
ただ、今に人間が機械に支配されてしまう時代が来るのかもしれないが。。
記事は以上。
(記事情報元:iFanr)