2016年8月〜10月の世界のiPhoneの出荷量統計から、その期間では世界で最も日本人がiPhoneを愛用していることが判明した。そして統計の取られている国の中で最もiPhoneを受け容れていないのはスペインだということも判明している。
日本では今年8〜10月のスマートフォン売上台数シェアでiPhoneが51.7%
世界規模でマーケティングリサーチを行っているKantar Worldpanel ComTechによって公開されている、「スマートフォン販売台数ベースでのOS別シェア率」の統計データが更新されたが、その統計によるとiPhoneユーザ数は毎年伸びる傾向にあるという。そして日本では今年8月〜10月のiPhoneの販売台数が日本のスマートフォン販売台数全体の51.7%を占めていて、文字通り世界で最もiPhoneを愛している国といえそうだ。なお、イギリスが2位で44%、Appleのお膝元のアメリカは何と3位に甘んじている。
アメリカでは3位だが、これまでになく好調。iPhone 7からイヤホンがなくなっても関係ない?
ただ、昨年同期に比べて、今年のアメリカでのiPhone出荷台数は7%増加していて、これまでで最も増加率が大きくなった年となった。「アメリカ人にとって、iPhone 7からイヤホンジャックがなくなったことは何も問題にならなかったようだ」とKantar Worldpanel ComTechのコンシューマーインサイトのディレクター、Lauren Guenveurは指摘する。というのも、iPhone 7シリーズがアメリカで8〜10月に最も売れたスマートフォンデバイスとなったからだ。
スペインではiPhoneはたったの7.9%のシェア率
ただ、日本やアメリカで好調なiPhoneも、スペインではうまくいっていないようだ。統計によると、スペインではAndroidがやはりスマートフォンの主流で、91.7%のスマートフォン型デバイスのシェアを占めていて、iPhoneのシェア率はたった7.9%しかない。
画蛇添足 One more thing…
日本人のiPhone好き、Apple好きは今に始まったことではないが、データでもはっきりとそれが証明されている。iPhoneが中国で現地国産メーカーの製品に押されて大きく販売台数シェアを落とす中、日本では安定したシェア率を保っているため、Appleにとって日本は非常に重要な市場だ。そしてAppleは日本でのこのシェア率を活かして、Apple PayやApple Music、iCloudなどの周辺サービスやエコシステムからもしっかりと売上を上げていくことだろう。特にApple PayについてはiPhone 7シリーズで日本の交通カードのSuicaに特化した日本独特のモデルを出したことが日本でのシェア維持や拡大に貢献していると思われる。
そして、今回は販売台数ベースの統計データだが、利益ベースではスマートフォン業界の90%以上の利益をAppleのiPhoneが占めているという統計もある。そう考えると、Appleは例え一部の国や地域で苦戦しようとあまり関係がなく、できるだけAndroidのユーザをiOSに惹きつけることでシェアを奪うことに専念すればいい(もちろん、魅力的な製品を作ることが最優先であってほしいのだが)。
記事は以上。
(記事情報元:Kantar Worldpanel by ComTech(統計データ、News)