【今だから語れるエピソード】あのiPodの父、iPhone初代のプロトタイプを紛失しそうになっていた

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“iPodの父”と呼ばれることもある、かつてのAppleのSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)だったトニー・ファデル(Tony Fadell)氏が最近BBCの取材を受け、当時のAppleで起こった様々なエピソードを語った。

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かつてのAppleのコア・メンバー。一番左がトニー・ファデル(Tony Fadell)。

ファデル氏、初代iPhoneのプロトタイプを危うく紛失しそうに

その中で、特に面白かったのが初代iPhoneのプロトタイプを出張の時に危うくなくしてしまいそうになったことだ。ファデルは、当時スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がプロジェクトチームに対し、もしiPhoneに関する情報を外に漏らしたら、即刻クビだと警告していたという。

 

2時間捜索してやっと発見

ファデルが出張中にiPhoneのプロトタイプをなくしたことに気付いた時、彼はともかくその”ブツ”を探し始めた。そして一体自分たちが何を探しているのか全くわかっていない捜索隊も手伝い、2時間も探し回った結果、とうとうなくした初代iPhoneのプロトタイプを見つけたのだという。

 

ジョブズが怒る情景が脳内再生。。

「ジョブズは明確に、このその”ブツ”が最高級の機密であることを伝えていました。彼は、誰であろうと外に情報を漏らしたら必ずクビにすると言っていたのです。私は当時焦って大汗をかき、ジョブズが私がプロトタイプをなくしたことを知った後に発生しうるあらゆる情景が脳内再生されていました」

「プロトタイプは結局ポケットから滑り落ち、2つの座席の間に入っていたのです」

 

iPhone初代にホイール操作とダイヤル操作を入れようとしていたことも

ファデルは他にも、同じ取材で興味深いエピソードを公開している。例えばiPodのようなホイール操作を採り入れたiPhoneの操作画面について、ファデル達は60年代の黒電話のようなダイヤル式の電話を考えたが、その後すぐにこの方法はあまりに使いにくいのですぐにボツになったと語っている。

 

タッチパネル型Macも開発されていた

また同時期にAppleではタッチパネルを搭載したMacも開発していたという。ファデルは、ジョブズが彼に対してiPhoneの概念を話した時に、最初に彼にタッチパネル式のMacを見せたというのだ。Appleは実はずっと密かにこの製品を開発していて、そのサイズは卓球台ほどの大きさだった。ジョブズはそれをファデルに見せた時に、「私はこんなのが欲しいんだ。これをiPodに入れてね」と語ったという。

これらのいくつかのプロジェクトが同時に開発されていたら、Appleには数千人が協力して開発に当たらないといけなかっただろうとファデルは回想している。なぜならAppleは当時これらの製品を同時にリリースすることを望んでいたからだったという。

「しかし当時私たちには準備期間は6ヶ月しか用意されていませんでした。というわけで、私たちはこのプロジェクトをキャンセルしたのです。このような決断を下すのは非常に困難だったのです」

 

iPhone用スタイラスもジョブズに内緒で開発

ファデルは更にiPhoneにスタイラス(タッチペン)をつけるべきかについて、Apple内部でも討論が行われたことを暴露している。ジョブズは当然ながら「iPhoneにタッチペンなどいらない」派だった。しかしファデルは「iPhoneにはタッチペンが必要」派だった。

ファデルはチームのメンバーに、iPhoneはタッチペンが必要であることを伝え、更にジョブズがわからないようにこそこそとテストを行ったという。「もし当時ジョブズにこのことを知られていたら、恐らく私のプロジェクトに関わっていた人達のクビは守れなかったでしょうね」

 

記事は以上。

(記事情報元:BBC via 9to5Mac

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