調査会社TrendForceは10月8日、2027年の【ノートパソコン】市場について、部品の値上がりが買い替えを遅らせ、世界出荷を押し下げるとの予測を発表しました。費用を抑えるため、中国へ生産の一部を戻す可能性も指摘しています。日本で買い替える際も、同じ予算で選べるメモリ・SSD容量への影響が気になります。

値上がり幅で変動する買い替え需要
TrendForceの基本予測は、2027年の世界出荷が前年比で1桁台前半の減少です。CPUやDRAMの高値が続き、メーカーが販売価格へ大きく転嫁すると、減少率は1桁台後半まで広がる可能性があるとしています(DRAMとは、処理中のデータを一時的に置くメモリのことです)。
同社が挙げるメーカーの対応は、販売価格を上げる、利益を削って費用を吸収する、メモリ容量などの仕様を抑えるというものです。消費者側からすれば、値段が据え置きでも容量が減れば、従来より少ない容量を同じ価格で買うことになります。昨今はお菓子などでもよく見かける現象ですね。
中国への回帰を促す費用と関税の条件
中国以外での生産比率について、TrendForceは2025年の約24%から2026年に21%へ下がり、2027年には20%を割る可能性を示しています。ただし、中国への回帰は関税の圧力がさらに強まらない場合、という前提条件付きです。新しい生産拠点では、物流や部品調達、供給網の管理に伴う追加費用が問題になるため、結局回帰した方がコストが合う、ということになるのでしょう。

この予測が浮き彫りにするのは、生産場所を分散するために負担してきた費用を、部品高の中でも払い続けられるのかという問題です。もし組立場所を中国へ戻して物流費などを削れても、CPUやメモリそのものの仕入れ価格は別に残ります。生産回帰で削れるのは物流や調達管理などの費用であって、部品そのものの高騰には引き続き対応が必要となるのです。
中国以外の比率が約24%から21%へ下がる推計を裏返すと、中国の比率は約76%から79%へ、約3ポイント上昇する計算です。ただし、中国の生産台数は世界全体の生産台数にも左右されます。市場全体が縮めば、比率が上がっても台数が減る場合があるので、中国の工場にとっても国ごとのシェアよりも総数が気になるところでしょうね。
小龍的にはこう思った
当ブログでもお伝えした通り、メモリ調達費の上昇はiPhoneの原価を巡る報道でも論点になっていました。小龍的には、今回のノートPC市場予測では、メーカーがどの費用を引き受け、そして消費者がどのくらい負担しなければならないかが焦点だと考えます。
消費者も値札だけではなく、その仕様・スペックには注意深く観察が必要です。
一方、今回の資料が示すのは世界市場の予測です。個別のMacの日本価格や、機種別の値上げ時期・金額は示されていません。
今のMacやPCで仕事が足りている人は、ご自身が必要な仕様は何かを見極めた上で、それを満たす機種の実売価格を見ながら、買い替え時期を決めればよいと思います。もちろん、将来的に長持ちするのはフルスペックだったりするのですが、果たしてそれが必要かどうかは別の話です。
記事は以上です。
(記事情報元:TrendForce(2026年10月8日発表)、9to5Mac)

