【Siri AI】のEU向け提供は、最短でも約5か月遅れる可能性があるとBloombergのマーク・ガーマン氏が予測しています。MacRumorsが伝えた見通しでは、iPhoneとiPadの利用者はさらに長く待つ可能性もあるということです。一方、Appleの日本公式ページは日本語への対応を年内と案内しています。日本の方がEUよりも早くSiri AIが採用される可能性が高くなってきました。

EUのiPhoneとiPadでSiri AIの提供が遅れる背景
MacRumorsによると、ガーマン氏は最新のPower Onで、EUでのSiri AIの遅れは約5か月で済むのが最も順調に進んだ場合で、それより長引く可能性もあると述べたということです。iOS 27のSiri AIは、EUではiPhoneとiPadで使えませんが、EU内でもMacでは使えます。Apple自身も日本公式ページの注記で「EUにおいては、初期段階ではSiri AIをiOS、iPadOS、watchOSで利用できません」と書いていて、macOSは注記の対象外です。
背景には、EUのデジタル市場法(DMA、巨大IT企業による競争の妨げを防ぐ法律)への対応があります。MacRumorsの7月1日の報道によると、欧州委員会は他社のAIアシスタントにもSiriと同じiPhoneの機能へのアクセスを求めています。Appleは両者を仲介する「Trusted System Agent」を提案して拒否されたと説明する一方、欧州委員会は具体案が足りず、義務の猶予を求めたものだと反論しているということです。6月30日のクック氏とヴィルックネン上級副委員長の会談について、EU側は建設的だったと説明したと報じられています。
ガーマン氏の見方では、AppleはEUの利用者の不満を欧州委員会への圧力につなげようとしているとのことです。7月の報道では、EUの担当者に消費者から数百通の抗議メールが届いたとされています。
「5か月」は前回のApple Intelligenceの遅れとほぼ同じ
ガーマン氏は今回の状況を、Apple IntelligenceのEU提供が遅れたときと比べています。Apple Intelligenceが米国英語で始まったのは2024年10月28日で、EUのiPhoneとiPadで初めて使えるようになったのはiOS 18.4が配信された2025年3月31日です。Appleの発表日どうしの差は154日で、約5か月となります。
今回の約5か月という予測は、前回の遅れと同程度で最短のケースだという厳しい見方です。ただし、報道には提供の確定日が示されていません。前回の154日はあくまで過去の実績であって、正式なAppleの発表を待つしかありません。
日本語版はApple公式が「年内」と明記
日本の状況はEUとは違います。Appleの日本公式ページには、10月6日時点で「Siri AIは英語から対応を開始し、年内に日本語でも利用できるようになります」と書かれています。日本語設定のiPhoneでは、iOS 27にアップデートしても今は従来のSiriのままです。英語版のSiri AIで報告された不満点や従来のSiriへの戻し方は、当ブログでもお伝えした通りです。
前回のApple Intelligenceでは、日本語への対応とEUのiPhoneとiPadへの提供が同じ2025年3月31日の発表にそろいました。今回は、日本語についてAppleが年内という予定を示す一方、EUの待ち時間はガーマン氏の予測ですが最短5ヶ月とのことです。
小龍的にはこう思った
小龍的には、EUでは既にMacでApple Intelligence(Siri AI)は既に提供されていることが鍵を握ると思われます。Appleの提供条件でも、EUの初期制限はiOS、iPadOS、watchOSにかかっています。同じEUでも機器によって扱いが異なるということは、地域全体でSiri AIを動かせないという話ではなく、iPhoneなどでどう提供するかが課題になっているということです。ただし、言語的には英語から提供が始まっているため、EU各国の言語で提供されているわけではありませんが。
日本語で使いたい人が待つのは、Appleが案内する年内の日本語対応です。日本で英語版を試す場合も、公式の利用条件では対応機種でApple Intelligenceを有効にし、デバイスを対応言語に設定する必要があります。iPhoneは15 Proと15 Pro Max、16以降のモデルが対象です。
中国についてはは更に状況は見えていません。Appleは中国での提供について、規制要件への対応中はSiri AIなどの新機能を利用できないと案内しています。正直、AIを中国仕様に揃えるのはかなり骨が折れるので(政治的な内容、特に中国の政府に関することは完全に御法度で、この辺りは海外のAIが殆ど入り込めてないことからわかります)、Appleも今後ずっと対応できないかもしれません。となると、今後Siri AIを主力としていきたいAppleとしては中国の市場では苦戦が強いられることになります。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、Bloomberg、Apple)


