当ブログでも5月10日にお知らせした、英国クリスティーズ(Christie’s)オークションに出品されたApple I完動品ですが、オークションが終了し、47万1000ドル(約5,157万円)で落札されました。
Christie’sオークションハウスは落札価格の予想として$378,000から$633,000の範囲を提供しているので、このマシンは最大約63万ドルを取得すると予想されていましたが、今回の落札価格は予想価格の底値に近い値付けになりました。それでも最近の他のApple Iのオークション落札価格よりは高い値付けとなっています。例えば、昨年Apple Iはオークションでたった21万ドル(現在の為替レートで約2300万円)にしかなりませんでした。ちなみにこれまでのApple Iの最高落札価格は81.5万ドル(約8930万円)でした。
今月のオークションで落札されたApple Iは、1977年にリック・コンテ(Rick Conte)という名前の男性によって最初に購入され、2009年に非営利団体に寄付され、そして2010年にはプライベートコレクションのために購入されました。それが今回オークションに出品された、というわけです。
このApple Iはいくつかの点で他とは違う独特なものでした。それは直接ブリーフケース(アタッシェケース)の中で組み立てられていて、そして完全に機能するいわゆる完動品でした。そして出品された製品には、製品以外にも豊富な付属品が添付されていたのです。付属品には、いくつかのApple共同創業者ロン・ウェイン(Ron Wayne)によるユニークな契約書類、当時のApple Computer社発行の非常に希少な「ファーストマニュアル」、そしてパナソニックのカセットテープレコーダー、またモトローラのマイクロプロセッサなどが含まれていました。
Apple Iは1976年に販売開始されたApple Computer社の記念すべき第1号製品ですが、おおよそ200台製造されたとされ、しかも殆どAppleの共同創業者の1人スティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)によって設計・開発され、また製造(組立)も彼自身の手で行われたものでした。そして奇跡的なことに、40年以上経った現在でもそのうち半数近い80ものユニットが現存しているとされています。そのうち約15台は美術館や博物館のコレクションとなっています。そして残りがオークションなどで取引されているのです。
今回の5000万円以上の落札価格がついたApple Iの詳細については、ChristieのWebサイトで確認することができますが、当ブログの5月10日の記事でも詳細を紹介していますのでぜひご覧ください。
たまには現在世界で最も市場価値の高い企業となったAppleの、記念すべき第1号製品に思いを馳せるのもいいかもしれません。このApple Iはたった200台でしたが、その後継機のApple IIの大成功がなければ、かの故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が世界から注目されることもなく、今のAppleもなかったのです。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)