AppleとGoogle、Amazon、PayPalが連盟結成!モバイル決済サービスの更なる発展が望めるか?

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テクノロジーの発展に法整備が追いつかないこともあるが、逆に法整備がテクノロジーの足かせになることもある。最近米国で新たに行われた法整備が、Appleのユーザのプライバシー保護ポリシーに合わず、またAppleの新しいモバイル決済サービスApple Payを含む新しいサービスの発展を制限するものだった。どうやらそれはGoogleをはじめとするモバイル決済を進めるテック業界大手にとっても同じで、これは連盟を結ぶべきだという共通認識に至ったようだ。

テック業界の巨頭達がモバイルペイメントの進化のために手を組んだ!

米国のネットメディアRe/Codeによれば、Apple Payのような新型モバイルペイメントソリューションが発展するにつれ、人々の日常の支払い習慣を変えていく中、Apple等のテック業界の巨頭が連盟を結んだ。その主旨は、立法者達がフィナンシャルサービスの新しい道を作るための足かせにならないようにするというものだ。

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“Financial Innovation Now”連盟、参加した企業と目的

この連盟に参加したのはApple(アップル)、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)、PayPal(ペイパル)、Intuitで、連盟の結成を発表したのは昨日のこと。連盟の名前は“Financial Innovation Now(ファイナンシャル・イノーべーション・ナウ)”。その存在目的は、法律や政策が金融サービスのイノベーションをもっと促進するようにする、というものだ。

確かに、最近施行された新しい法規または立法者が提出した新政策は、これらのテック企業の巨頭達の利益に影響するものだった。今年の頭に、米国民主党のJoshua Peters議員が提出した法案は、消費者が店でApple PayやGoogle Payなどのモバイルペイメントを使用する際に、写真入りの身分証明書を同時に提示することで販売者が購買者の情報を得られるようにするというもので、着眼点はよいのだが、それによってモバイルペイメントの利便性が損なわれてしまう。モバイルペイメントは気軽にチャリンと支払えるのが最大の魅力であるにもかかわらず、だ。

“Financial Innovation Now”連盟のBrian Peters執行理事によれば、この組織は立法者達が現代の決済テクノロジーについて更に深い理解を得るための助けになることを希望しているとし、それによって金融サービスがより更に安全が保障された制度を確立し、インスタント決済をより現代化するとしている。

AppleのApple Payは立ち上げ以来世界的に拡大を続けているが、まだ日本市場や中国市場に入れていないのが現状だ。

画蛇添足 One more thing…

Apple Payは特にその取引に関するプライバシー保護が強固で秘匿性が非常に高いことで知られている。支払いの際に紐付けられたクレジットカード番号も暗号化され、誰が支払ったかどうかについて、またその人がどんなクレジットカードを使ったかについて販売者に明かされないどころか、Apple自身も知ることができないという。ただこのことは、消費者を会員として囲い込み、リピーターとなってもらいたい販売者にとっては逆に足かせとなる可能性がある。上記のJoshua Peters議員による法案などは、恐らく販売側のロビー活動から提案されたものだろう。しかしモバイル決済サービスに個人情報を関連づけることに果たして意味があるのだろうか。

現在モバイル決済がかなり進んでいるお隣の中国を見てみよう。特にIT大手のアリババ(Alibaba、阿里巴巴、ティッカーシンボル:BABA)グループによる【Alipay(支付宝)】や、テンセント(Tencent、腾讯)による【微信支付(WeChat Pay)】などが既に普及しており、都市部の大きなショッピングモールなどではかなり多くの店がこれらの支払いを受け付けていて、財布を持って外出しなくてもiPhoneなどのスマホがあれば買い物や食事ができてしまう。ちなみにこれらの支払いは大抵は【大众点评】や【美团】などお店情報アプリやグルーポンサービスアプリと関連づけられているため、顧客がリピートしやすい。タクシーアプリなどもモバイル決済に対応しているので、もはや移動にも現金は必要ない(都市部のバスや地下鉄にはもともとICカードがあるのでキャッシュレスだ)。

海外でもこのようなやり方で、決済のみApple Payなどのそれぞれのメーカーによる、そしてその他の顧客管理などは別のSNS・グルーポン・お店情報サービスアプリで行えば、販売者も機会損失にはならず、逆にモバイルペイメントの利便性を実感してもらえるはずだ。私個人としても、中国の実例を目の当たりにするにつけ、モバイル決済サービスそのものに足かせをかますのは全く意味がなく、逆にその他の顧客管理サービスの安全性を確保すべきではないかと考えている。もちろん、銃の販売など政府が積極的に取り締まらなければいけない分野については、別途決まりを定めればよいのではないだろうか。

ちなみに今回の連盟で、AppleとGoogleという本来はライバル会社である2社が中心的に動いているのが面白い。やはり共通の利益のためには昨日の敵は今日の友なのかもしれない。そして、スマホメーカーで独自でモバイル決済サービスを始めているSAMSUNGが入っていないのは、やはりAppleとはそりが合わないということなのだろうか。

記事は以上。

(記事情報元:Re/Code

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