Apple(アップル)による企業買収(M&A)の歩みは止まらないようだ。
Macrumorsの報道によると、Appleはロンドンのビッグデータの分析を得意とするマーケティング企業Acunuを買収し、その麾下に置こうとしているようだ。
AcunuのCEO兼CTO Tim MoretonのLinkedInのプロフィールでばれる?
AppleはAcunuの買収には既に1年以上の時間を費やしており、本日メディアがようやくその証拠をつかんだ。2013年末から2014年の頭にかけて、Acunu社の多くのエンジニアだけではなく、なんとCEO兼CTOを含む経営陣までもがAppleに入社していたことが判明したのだ。
AcunuのCEO兼CTO、Tim MoretonのLinkedIn(世界最大のビジネスSNS)のプロフィールによれば、彼は2013年12月にAcunuを退職し、同年同月から現在までiCloud部門のマネージャーになっていることがわかっている。
■Tim MoretonのLinkedInプロフィールページ
Apple、昨日のFoundationDBの買収から引き続き、マーケティングデータに重点を置く?
昨日TechCrunchでも報道されたとおり、Appleは永続型データベースのFoundationDBも買収している。FoundationDBは高速永続的NoSQLデータベースに特化した会社だ。この報道に引き続き本日のAcunuの買収が本日暴露されたことで、Appleのデータへの重視のほどがうかがえるというものだ。
Appleはこの報道について何らコメントをしていない。CEOのティム・クック(Tim Cook)はかつて、Appleは自らがイノベーションの力を保ち、企業の発展需要を満たすために今後も企業買収を続けることを明言している。
ティム・クックは更に、今月頭の取締役会において、過去14ヶ月内にAppleは全部で26社の買収を完了していることを報告している。
画蛇添足 One More Thing
元Acunu CEO兼CTOのTim MoretonがAppleのiCloudチームのマネージャーになっているということは、そのマーケティングの手腕はiCloudに活かされていることがわかるが、果たしてAppleの目的はそれだけだろうか。
Appleの共同創業者、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)の時代には、Appleはあまり企業買収を行わなかった。それに比べ、現在のAppleはかなり積極的に企業買収を行っているといえる。
基本的に自分たちでやれることをやるということもあったが、ジョブズの方針としては何でもできる企業になるというよりは、数多くの企業の中でAppleの存在を示すものを作れば、あとは結果がついてくるというものだったと思う。マーケティングを全くしていなかったといえば嘘になるだろうが、それよりもイノベーティブな製品を生み出すことを優先としていたはずだ。
ティム・クックの時代になってからは、イノベーティブな製品よりも、より多くのユーザに受け入れてもらうためのマーケティングを積極的に行っている印象を受ける。大型サイズのディスプレイを搭載したiPhone6/6 Plusを販売したのもマーケティングリサーチの結果によるものだろう。
いずれにせよ、これからのAppleは消費者の要求をもっと重視するようになったということだ。これが吉と出るのか、凶と出るのか。。それは今後のAppleの業績によって示されることになるだろう。
記事は以上。
(記事情報元:Macrumors)