iPhone 4に搭載されたA4チップから自らプロセッサの開発を行っているApple。Appleはその利益率だけではなく、プロセッサの研究開発の分野においても他のスマートフォンメーカーを圧倒的に凌駕している。ここまでAシリーズプロセッサが発展してくると、将来的にMacBookがインテルのプロセッサを使わなくなることもあるかもしれない。
A9。スマートフォン史上、
最も先進的なチップ。 iPhone 6sの心臓部は、専用に設計した64ビットのA9チップです。このチップが、かつてはデスクトップコンピュータでしか出せなかった性能を発揮します。CPUのパフォーマンスは最大70パーセント、GPUのパフォーマンスは最大90パーセント高速化しているので、グラフィックスを駆使したお気に入りのゲームやアプリケーションのすべてでそのスピードを体験できます。
これがAppleの公式なA9チップの宣伝文句だ。実際、iPhone 5sの時代から、「デスクトップコンピュータの性能をスマートフォンで」というのがAppleによるiPhoneのキャッチコピーの1つだった。
iPhone 6sは12インチMacBookの性能を超える
では、iPhone 6sのA9チップはどれだけすごいのだろうか。それはAppleの新しいMacBook Retina 12インチモデルと比較してみるとわかる。
ベンチマーク結果を見ると、iPhone 6sのスピードは今年リリースされた新しいMacBookを超えているのだ。シングルコアもマルチコアでも、どちらもMacBookを上回っている。言い換えれば、A9チップは少なくともインテルのCore Mプロセッサと並ぶかそれ以上の実力を持っていると言うことだ。当然ながら、インテルの最新のSkylakeに比べれば、A9はまだまだ遅い。しかしそのことは「A9チップはデスクトップクラス」という性能表現を妨げるものにはならないだろう。
ARMプロセッサはインテルのCore iシリーズが肩を並べるというのはここ数年は夢物語だった。しかしAppleがプロセッサの開発に力を入れることで、Aシリーズプロセッサの実力がインテルに追いつくことが現実味を帯びてきたようだ。
iPad ProのA9Xは更に強力
そしてA9チップといえば、iPad Proに搭載されるA9Xにも注目だ。これはA9チップの強力版で、これまでのAppleの動きを見れば、A9XはA9チップに比べても更に性能がずば抜けて高いと思われる。(例えばA8Xを搭載したiPad Air 2の処理速度は、A8チップを搭載したiPad mini 4の50%速かった)。iPad Proの処理速度はMacBook Airに匹敵するかもしれず、もしかしたらMacBook Proレベルかもしれない。
Appleのフィル・シラー(Phil Schiller)上級副社長新は、製品発表イベントの壇上で誇らしげに「iPad Proの処理速度は市場に出ている80%のノートパソコンよりも速い」と豪語した。これもAppleの新しい製品ラインに対するシグナルの一つかもしれない。
画蛇添足 One more thing…
「一番早く出すことは競わず、最もよい(使いやすい)ものを作る」というのが最近のApple、特にティム・クックにCEOが交代してからのAppleのモットーのようだが、ことプロセッサに関しては違うようだ。
プロセッサに関してはAppleは自社製品に実はかなり先進的なものを採用しており、例えば世界で最も早く64bitプロセッサを搭載したスマートフォンはiPhone 5sだった。「プロセッサは世界で最も先進的」という宣伝コピーを掲げることで、今後もAppleはiPhone及びiPadにおいてそのプライドを保ち続けるのかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)