App Storeでのアプリのダウンロード数、中国が世界最多に

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2011_App_Store_in_China

Appleの今年2015年第二四半期(Q2)の財務レポートで、Appleは中国が米国を抜いてiPhoneの販売台数が世界最多になったことを公表。米国は現在でもAppleにとって世界最大の収入源ではあるものの、ティム・クック(Tim Cook)CEOもその米国の地位も遅かれ早かれ中国に取って代わられることを信じているだろう。

中国がApp Storeで最多のダウンロード数に、その要因は?

中国の消費市場はこれまで、ハードウェア市場は強いが、ソフトウェア市場は弱いといわれていた。ただモバイルプラットフォームアプリケーションの分析機構のApp Annieが発表した最新データによると、2015年第二四半期において、App Storeのアプリのダウンロード数で中国が最多になったというのだ。

iPhone 6とiPhone 6 Plusが中国でブームとなったことが、App Storeでのダウンロード数が最多になった主な原因の1つだ。上記のレポートによれば、App Storeのダウンロード数は多い順から中国、米国、日本、イギリス、そしてロシアの順番となっている。しかし、中国のダウンロード数が最大となったといっても、収益は最高ではない。収益の大きさでいえば、米国、日本、中国、イギリス、オーストラリアの順だ。

世界最多ダウンロード数の中国、収益は世界第3位

App Annieによれば、現在中国でのApp Storeのダウンロードが最も多い3ジャンルはゲーム、写真、そして動画となっており、これらのアプリは無料かまたは価格の安いものが多いと指摘している。また中国はApp Storeの世界共通価格を適用していない特価提供地区の1つであり、1元(約20円)や3元(約60円)のアプリが登場してからApp Storeのダウンロード量が激増したという背景もある。以前のメディアの報道では、中国でのApp Storeの特価の成功を受け、Appleはすぐにメキシコやロシアでも特価価格でアプリを提供し始めたという。

画蛇添足 One more thing…

中国の場合、これまでは海賊版の問題で、基本的にOSも含めソフトウェアは無料で手に入るというのが当たり前だった(もちろん公式にはNGとされていたとしても)。大企業でさえ自社のパソコンには海賊版Windowsが入っていたり、ともかく著作権や版権意識が低かった中国ではそのようなことは蔓延していたわけだ。

しかし中国のApp Storeでの収益が世界3位に入ったということは、当然ユーザ人口ボリュームがあることを考慮に入れても、お金を払っている人は確実にいるという証拠だろう。

私が考えるに、App Storeには決済の問題があったと思う。中国は他国に比べオンラインペイメント、例えば銀行のオンラインバンクやクレジットカードでの支払いが普及していなかったのが大きく影響しており、以前のApp Storeでは銀行デビットカード或いは店頭でのiTunesカードなどでの補充、しかも一定額先払いしか支払い方法がなかったのが最大のネックだったのではないか。

しかしここ数年でBATと呼ばれるネット企業(バイドゥ Baidu、アリババ Alibaba、テンセント Tencent)によるメッセージングアプリ・ソーシャルアプリサービスから派生した金融アプリが登場し、銀行と関連づけられた支払いサービスが充実したことで、一気にオンラインペイメントが中国に普及した。App StoreもAlipay(アリペイ、支付宝)と繋がったことで一気に支払いが簡単になったことも収益が伸びた原因の1つであろう。

ちなみに2011年より前は、App Storeには人民元での支払いさえできなかったって知っていただろうか?それに比べたらAppleの中国への入れ込みようはすごい、ということになる。もしスティーブ・ジョブズが生きていたらこうはならなかったかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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