Appleはきっとなぜスマートウォッチが必要なのかを消費者に語るだろう

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iWatch_concept

米国のテクノロジー系Website、TechNewsWorldが先週、
Apple Gets Ready to Tell Consumers Why They Want a Smartwatch(Appleは消費者になぜ彼らがスマートウォッチを欲しがるかを語る用意がある)」という記事を掲載した。

Appleは製品開発をするときにはリリース時期を急ぐことはなく、
競争相手が先に道を切り開くのを待っているきらいさえある。
そして競争相手達は様々な模索を経ても、
大して市場や消費者の興味を惹き付けられていないことが殆どだ。
それがAppleの番になると、Appleは非常に精密に美しくデザインされた製品を用いて、
「はい、これがあなた達が欲しがっていたものなんですよ!」
と語ってリリースし、市場をかっさらっていくのだ(その後すぐにSAMSUNGなど物真似しかできない企業に模倣されてしまうが)。
同社の過去の製品、iPodやiPhone、そしてiPadもみなこのような形で大成功を収めてきた。
では、現在Appleが秘密裏に開発しているとされ、
今年秋から年末にかけてリリースされるというウェアラブルデバイス・スマートウォッチの「iWatch」はまた同じようなやり方で果たして成功するのだろうか?

以下が上記で紹介した記事の意訳・要約だ。

これまでの多くのメディアの報道によれば、
Appleは今年秋にスマートウォッチをリリースするといわれ、
しかもいくつかのバージョンがあるとされている。
そして同社はこの製品をもって競争が日に日に激化しているウェアラブルテクノロジーの領域に踏み込もうとしている。

ウォールストリート・ジャーナルの報道によれば、
この長いこと噂になっているスマートウォッチは複数のディスプレイサイズ展開となり、
10以上のセンサーを搭載し、健康やフィットネスの指標を追跡する機能を持つという。

現在の市場には、ある既成概念がある。
「伝統的な機能以外にスマートウォッチは何もオリジナリティがない」
というものだ。
そしてAppleにはこの既成概念を打ち破ることが期待されている。

今月初頭に行われたApple主催のWWDC上で、
同社は健康とフィットネス指標追跡アプリのリリースを発表した。
このアプリはユーザの全ての健康やフィットネス情報を一ヶ所に集中して管理できるというものだった。
市場はこのリリース情報をもって、同社は近い内にスマートウォッチのリリースをすると推測している。

全く新しい製品ライン

AppleのCEOティム・クック(Tim Cook)は既に過去のインタビューで、
年末に新ジャンルの製品をリリースすることを予告している。
Appleが前回新ジャンルの製品をリリースしたのは4年前、iPadをリリースしたときだ。
当時、クックはまだAppleのトップではなかった。

Appleのスマートウォッチは数ヶ月内に台湾のQuanta Computer(廣達電腦)にて製造されるとされ、
今年10月に正式リリースされるとされている。
ウォールストリート・ジャーナルによれば、
Quantaは今月の後半には試作を開始するとしており、
年末の出荷量は1,000万台から1,500万台になるという。
またAppleは製造に入る前にその製品仕様(スペック)を確定するという。

Appleがいつスマートウォッチをリリースするにせよ、
既にだいぶ他社におくれをとっているように見える。
SAMSUNGは既にGalaxy Gearをリリースしており、
Googleも既にGoogle Glassをリリースしている。
Pebbleスマートウォッチも携帯電話との同期が可能であり、
電話、SMS、メールやアラーム機能などを一通り揃えている。
それと同時にFuelBandやFitbit等多くのウェアラブルデバイスを使うことで、
ユーザの健康やフィットネスデータを追跡することが既に可能となっている。

iWatchは更に有力な「ステータスの象徴」になる?

“事実上、スマートウォッチはスマートフォンに取って代わることができる”
とは米国のマーケティング会社Enderle GroupのアナリストRob Enderleの言葉だ。

Enderleによれば、Appleのスマートウォッチは十分な大きさのディスプレイをもち、
そしてなくしたり落としたりしにくく、
言葉による命令でハンズフリーで操作でき、
そして多くの人から見られやすい。。
ということでより有力な個人のステータスの象徴となりうるというのだ。

「しかしAppleはそのようにしないだろう」とEnderleは続ける。
「もし彼らがiPhoneとiWatchを同時に購入して欲しいと望むのであれば、
スマートウォッチによってスマートフォンの売上げを下げるようなことはしないだろう。
だからスマートウォッチはiPhoneの延長線上の一にあるものとなり、
恐らくただスポーツに特化したものになるだけではないだろうか。
またその製品はもしかしたら携帯を出かけるときに持つのを忘れたら警告を出すとか、
携帯をどこかに置いてしまったときの携帯追跡機になるなども考えられる」
との予想を展開している。

米国のマーケティング研究会社のIDCの予測によれば、
ウェアラブルデバイスは重要な成長領域であり、
今年の世界での販売量は1,900万台となり、
昨年に比べれば3倍となり、
4年以内には1億1,190万台の市場に成長するとされている。

もちろん、Appleが同社のスマートウォッチを消費者の腕の上につけさせるには、
大変厳しい困難に挑戦し乗り越えなくてはならないとみられている。

現行製品では突破力に欠ける

「今の問題は、消費者が現行のデザインのスマートウォッチを欲しがっていないからだ。
だから彼らは売らないんだ」
とは、米国コンサルティング会社のYankee Groupのリサーチとデータサイエンス担当副社長Carl Howeの談。

Howeは更に「これはつまり現行のスマートウォッチ製品の技術的なソリューションが、
多くの消費者の本当の需要にマッチしておらず、ただのガジェットに過ぎないからだ」
と分析している。

「このような新たな領域には需要の前に定義が必要だ。
例えば1900年代に一部のギーク以外は誰も自動車を欲しがらなかったように。」
とEnderleは語り、
「現在市場が既に定義されているため、多くの人が自動車を欲しがっている。
iPadが誕生する前、タブレットPCは同じように期待されていない市場だった。
多くの消費者がスマートウォッチを欲しがらないのは、
まだどの企業も本当に消費者を惹き付ける製品をリリースしていないからだ。
もしあなたが人を惹き付ける製品を作る必要があるならば、
その需要さえも作り出すような方法でなければならない。
市場はあなたが製品を開発したからといって自然に生まれるものではない」
と続けている。

市場のチャンスを定義する

Appleのブランド力は非常に強く、スマートウォッチのために需要を作りだし、
スマートウォッチ市場でもその輝きを保つだろう。

Howeはこう指摘する。
「iPhoneが生まれる前、消費者のタッチパネル携帯の需要は殆どゼロだった。
当時の製品は非常に酷いもので、消費者が直面する本当の問題を解決することはできなかった」
「Appleの目的はタッチパネルを使って3つの製品を1つにすることだった。
iPhoneはiPodと携帯電話とインターネット接続マシンの3つのツールを1つのエレガントなデバイスに融合させたんだ」
「私はAppleはウェアラブルデバイスにも似たようなやり方をするのではないかと考えている。
ウェアラブルデバイスはその”ウェアラブル性能”も1つの特色だが、
1つのエレガントな製品が消費者の本当の需要と欲求を満たしてくれるのだ」
とHoweは語っている。

まとめ

上記の記事の翻訳を簡単にまとめると、

iWatchが売れるかどうかは、Appleが
・いかに身につけることがステータスとなるようなエレガントな製品を作り上げるか
・いかに消費者の本当の需要と欲求を生み出すか
の2点が鍵となる、というまとめでいいだろうか。

これはだいぶハードルが高くなってきましたよ、Appleさん。

記事は以上。

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