消費者が小売価格で一台の16GB或いは64GBのiPhoneを買おうとした時、Appleにとってはその結果は全く違うものになるようだ。なぜならあなたが64GBのiPhoneを買うと、16GBよりも100ドル多めに払わなければならないが、そのほとんどがAppleの儲けになってしまうからだ。そう、あなたがiPhone 6s、iPhone 6s Plus、或いはiPhone SEのどれを選ぼうと同じことだ。
iPhone SEがもうじきリリースされようとしている時に、IHSのシニアアナリストのWayne Lam氏はTech Insiderの取材に答えてこう語った。
「16GBのモデルと比べれば、Appleは12ドルだけ多く出せば、64GBモデルのiPhoneを製造することがことができます」。そしてAppleのアメリカのサイトを見れば、64GB版のiPhoneの価格は16GB版よりも100ドル高くなっているのだ(ちなみに日本では12,000円の差)。
これは、16GBに比べ、64GBモデルのiPhoneが売れた方が、Appleには88ドル多くの利益が転がり込んでくることを意味する。Lam氏は更に、iPhoneのコストはずっと一定して変わらないわけではなく、当然ながら製品の発売期間によっても変わってくるし、内蔵メモリチップの価格も変動するとしている。iPhone SEはまだ販売開始されておらず分解もされていないため、まだコストについては詳しく分析されていないが、数日経てば恐らくIHSあたりがiPhone SEのコストレポートをアップするだろう。
またLam氏は更にTech Insiderに、Appleはずっとこのやり方でiPhoneの製品ラインの粗利率を上昇させてきたという。そんなわけで、Appleは消費者のますます高まるニーズに合わせ、32GBモデルのiPhoneを取りやめ、16、64、128GBの3つに統一したのもうなずける。これについて、Tech InsiderのHenry Blodget編集長はiPhoneは「摩訶不思議な利益製造マシーンだ」と感嘆している。
画蛇添足 One more thing…
もともと大量購買と下請けで複数購買をして徹底的なコスト競争とコスト削減を行っていることから、製造原価はたったの200ドル(2万円台)程度のiPhone。それを粗利益率70%になるほど定価に上乗せして売っているのがAppleのやり方だ(しかも卸先にもほとんど値下げせずに卸している)。
正直上記の内蔵メモリの差で88ドルなんか屁でもないくらい儲けているのが現状ではある。iPhone SEは思い切って値下げをしてきたが、今後新機種の価格戦略に影響してくるかどうかは未知数だ。
さて、ますます解像度が上がるiPhoneのカメラ、それに伴って4Kビデオ撮影なども可能になり、ますますファイル容量が大きくなるiOSとiPhone。16GBモデルだとパシャパシャ写真やビデオを撮っているだけで結構あっという間に容量がいっぱいになってしまう。
基本的には、内蔵メモリが減ってくると全体の動作がおかしくなったりする上に、更にiOSのアップデートに支障をきたしたりするので、できるだけ数GBは空けておくようにしておきたい(16GBだとほとんどそれは無理な話)。
一番いいのはクラウドサービスを活用することだ。iPhoneからであれば、以下のサービスが使いやすいだろう。
- Apple本家のiCloud(ある容量程度以上は有料、従量課金)
- Amazonプライム フォト(年間2000円ほどで使い放題)
- Amazonプライム ミュージック(年間2000円ほどで使い放題)
- Googleフォト(無料、通常画質なら容量無制限、RAWなどは有料)
- Googleドライブ(無料)
- Dropbox(ある容量程度以上は有料、従量課金)
などなど、色々ある。。管理が面倒な人は1つのところにした方がいい気がするが、バックアップのためには複数のサービスにあげておいたほうがいいこともあるかもしれない。特に無料のサービスは突然のサービス終了のリスクを考えておいた方が良い。
特に写真やビデオは容量が大きく、できればクラウドストレージにあげておいた方が良い。万一の時のバックアップにもなるためだ。
記事は以上。
(記事情報元:Tech Insider)