≪Fortune≫のネット上の報道によると、テック系ウェブのMobile Syrupからの情報として、ブラックベリー(BlackBerry)社がカナダのオンタリオ州ウォータールーの本社で35%の従業員のレイオフを行い、またアメリカのフロリダ州サンライズの支社でも75人の従業員のリストラを行ったという。
以前の初期のレポートでは、ブラックベリーの本社でのレイオフは1000名近くになり、大多数はBlack Berry 10(OS)とデバイス部門になると伝えられていた。
しかしブラックベリーの代表はFortuneに向けた声明の中で、実際のレイオフの人数は更に少なかったという。「ブラックベリーが再生プランを実施してするに従い、我々は世界的なチームの仕事効率に注目しています。これは全ての部門が利益目標を実現したことを意味すると同時に、私たちは新しいビジネスチャンスを発見しそれを掴んでいる途中なのです。そんなわけで、我々はカナダとアメリカで約200人のレイオフを行いました。それは、我々が潜在的な業務領域に対して積極的に人材を募集していることを意味しています」
ブラックベリーのスマートフォン業務は、現在グーグル(Google)のAndroid OSの導入への過渡期で、自社のBlackBerry 10を放棄しようとしているところだ。ブラックベリーのJohn Chen(程守宗)CEOは、かつて同社が引き続きBlackBerry 10をサポートすると何度も語ってきたが、本日のリストラの情報からみれば、BlackBerry 10の運命は風前の灯火状態になったともいえるだろう。
ブラックベリーは昨年11月、初めてAndroidを採用したスマートフォン【Priv】をリリースした。Privはスライド式のキーボードを搭載している。John Chen CEOは、今年のCESでブラックベリーは今年は主にAndroidスマホをプッシュしていくことを発表し、また今年中に1、2種類のAndroidスマホをリリースすることもコミットしている。
John Chen CEOの目標は今年にはデバイス業務を黒字にすることで、会計年度の今年度にまずは赤字をなくすことで、その目標のための方法の一つとして、コストカットもあるとされていた。そして、その通りにリストラが行われたということなのだろう。
画蛇添足 One more thing…
ブラックベリーはiPhone登場以前は強勢を誇っていた”スマートフォン”だ。ハードウェアキーボードを頑なに守ってきた同社のスマートフォンは、今でも一部のニッチな需要を満たしているといえる。これでメジャーなAndroid OSを積んだタイプがいくつか出てくれば、これまでよりは売れるようにはなるだろう。
確かに、ハードウェアキーボード付のスマートフォンは私もiPhone発売前は使っていた。非常に便利で好きだった。今はiPhoneに慣れてしまってはいるが、打ちやすさだけでいえばやはりハードウェアキーボードがベストだ。ブラックベリーにはもう少し気を吐いてもらって、iPhoneとその模倣一辺倒のスマートフォンとは違った可能性を追求してもらえればと願っている。
なお、ブラックベリーの独自OSを搭載したデバイスはアメリカ合衆国のオバマ大統領が使っていることでも知られているほど、セキュリティが非常に堅牢なことでも有名だ。それがAndroidになってしまうと、セキュリティの確保は難しくなるため、米国政府仕様の堅牢なBlackBerry 10は今後も細々と開発が続けられるのかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:Fortune)