ジョブズの旧友で元Apple広告顧問、最近のAppleにはシンプルさがないと批判

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広告業界では大先生クラスのKen Segallは、Appleと長く深い関係にあった。Segallは最初はAppleと長期の広告代理店契約を結んでいたTBWA/Chiat/Dayのクリエイティブディレクターのトップで、その後Appleの顧問を2008年まで務めた

あの有名な”Think Different.”キャンペーンもSegallの手によるものだった

そしてAppleの90年代にリリースされたあのiMacから始まる”i-“シリーズ(現行のiPodやiPhone、iPadもそのシリーズに入る)も、Segallの提案もあって名付けられた名前だ。

しかし2012年に”Insanely Simple: The Obsession That Drives Apple’s Success(異常なまでのシンプルさ:Appleを成功に導いた執念)”という著書を出していて、しかもAppleの共同創業者である故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)の旧友として、Segallは最近のAppleには不満を持っているようだ。

KenSegall

SegallはイギリスのThe Gardianの取材を受けた時に、Appleの現状に対してこんな不安を抱えていると漏らしている。「Appleのユーザのブランド忠誠度は相変わらず高いものの、同時にますます多くの人がAppleに失望しています。なぜならティム・クック(Tim Cook)時代のAppleは以前のジョブズの時代のような”シンプルさ”がないからです。ユーザの言い分によれば、Appleの製品ラインはますます複雑になり、製品の名称にも決まった付け方がなく、製品本体についてもユーザを困惑させるものだからです。」

Appleの製品への命名システムについては、Segallはこれまでも何度も疑問を呈していた。彼はAppleの製品の命名が”めちゃくちゃ”だと感じているようだ。SegallはiPhoneの命名法にもこのように意見している。「多くの専門家は、Appleは2年おきに1回のメジャーアップデートをしていて、その間に”s”がついた型番を出している。この型番は小さな改善しかもたらさないが、それはAppleが意図しているのかよくわからないと指摘しています。私も個人的にAppleは”4S”を開発したことがないと信じたいですね。」

更にSegallは最近のAppleのソフトウェアの複雑化やアップデートによるバグやアクシデントについても苦言を呈している。「評論家はますます複雑化するAppleのソフトウェアに対して更に批判を強めています。Apple Musicは残酷にも攻撃の的になりましたが、それは当然のことです。個人的にも当惑することがあります。」

 

画蛇添足 One more thing…

当ブログでも何回も指摘しているとおり、私個人的にもAppleの製品ラインは複雑化してきていると感じている。iPhoneは既に大きさが2種類、色も4色になってしまった(かつては1種類、色も初代iPhoneは1種類、iPhone 3G〜5までは2種類)。iPadなどは顕著な例で、iPad mini、iPad Air、iPad Proが混在する状態で混乱し、しかも古い製品もまだ売っている。MacBookもMacBook、MacBook Air、MacBook Proの3種類あってとっつきにくい印象になってしまっている。

命名法も最近Proのラインが製品レベル的に一般的なプロユースとはかみ合わなくなってきたことと、Segallが指摘するような命名法の”S”や”Plus”、そして記憶に新しい”SE”などは本当によくわからない命名だった。ここで更に”Premium”なども登場するのではないかという噂もある。

更に最近は”i-xxx”シリーズがどんどん消えていき、代わりに新しい製品には”Apple-xxx(Apple Watch、Apple Music等)”と命名するようになってきているが、これは世界的に”i-“から始まるありとあらゆる製品名の商標が登録されてしまっていて、不必要な特許裁判を呼ぶことを避けるためとみられているが、果たしてその「自社の名前を製品名に冠する」という命名法がブランディングとして本当に正しいのかどうかは話は別だ。驕り高ぶっているような印象をユーザに与えかねないのではないだろうか。

そしてソフトウェアの機能の複雑化やアップデートによるバグは、私も個人的に最近3つほど苦々しい経験をしている。1つはiPhone 5sからiPhone 6やiPhone 6への買い換えの際の復元の失敗による大幅な時間ロス、そしてもう1つはMacBook AirのOS X MavericksからYosemiteへのアップデートで使えないほどのスピードダウンの経験、最後はMacBook AirからMacBook Proへの環境移行でやはりエラーが発生して移行できなかったことなど。この3つには本当に参った。こんなようなことはかつてiPhoneでもMacでも私が使っていた範囲ではありえなかったことだ。

もちろん、ジョブズがいた時代と現在のAppleは規模も違えばユーザ層、そして環境も違ってきているため、その変化に順応してきた結果が今のAppleの状態、といえなくもない。

ではあなたはジョブズ時代のAppleが好きだろうか?それとも今のクック時代が好きだろうか?

なお、Ken Segallの著書”Insanely Simple: The Obsession That Drives Apple’s Success“はAmazonでも買える。Kindle版もあるので英語がわかる人はぜひご一読をお勧めしたい。

記事は以上。

(記事情報元:Patently Apple

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