折りたたみ【iPhone Ultra】が発表される9月9日(日本時間10日午前2時)の2日前、9月7日に中国の2強が同じ日に発表会を開きます。午後は華為(Huawei)が三つ折りの第2世代【Mate XT 2】とHarmonyOS 7、夜は小米(Xiaomi)が2年ぶりのブック型折りたたみ【小米18 Fold】。小米は9月2日に外観を公式に公開し、外5.38インチ・内7.58インチという、噂されるiPhone Ultra(外5.5・内7.8インチ)とほぼ同じ寸法であることが分かりました。価格は1万2,000元(約28万円)との見方が有力です。3日間に3つの折りたたみ。何が起きるのかを整理します(円換算は1ドル=159円、1元=23.5円、以下同じ)。

9月7日、午後は華為、夜は小米、そして9日にApple
まず日程です。小米は9月2日、9月7日19時(日本時間20時)に「秋季旗艦新品発表会」を開くと公式に発表しました。華為は8月末に9月7日14時30分(日本時間15時30分)の発表会を予告済み。IT之家は「小米と華為の発表会が重なった」と報じています。
| 日時(日本時間) | 会社 | 主な発表 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 9月4日〜 | 小米 | IFA(ベルリン)に初出展、18 Foldを海外で初公開 | 欧州向けの顔見せ |
| 9月7日 15時30分 | 華為 | Mate XT 2(三つ折り第2世代)、HarmonyOS 7、Pura X View | 中国折りたたみ市場で6割を持つ王者 |
| 9月7日 20時 | 小米 | 18 Fold(中折叠)、玄戒O3、平板9 Pro Max、EV「澎程」 | 2年ぶりのブック型折りたたみ |
| 9月10日 午前2時 | Apple | iPhone Ultra(初の折りたたみ)、iPhone 18 Pro、Watch、AirPods | 参入は最後発 |
華為の目玉は三つ折りの2代目Mate XT 2です。余承東(リチャード・ユー)氏が実機を先行披露しており、折り方が初代の「Z」型から「G」型(内側に2回折り込む)に変わり、閉じたまま使える外側画面が新設されます(IT之家)。初代Mate XTは画面が外に出たまま折る構造で、傷の心配が付きまとった。その弱点を潰してきた形です。
微博の有力リーカー「数码闲聊站」は、日程が重なったことについて「第1弾の折りたたみ発表会は重なった。第2弾の年度フラッグシップは重ならないかもしれない。華為Mate 90シリーズは前倒しで登場する計画がある」と投稿しています。つまり9月7日は序の口で、華為は例年11〜12月のMate本体(Mate 90)も早めて、Appleの秋商戦に正面からぶつける構えです。
小米18 Fold、「中折叠」という新しい呼び名
小米18 Foldの公式情報は次の通りです(IT之家、GSMArena)。
- 画面: 外側5.38インチ、内側7.58インチ。小米はこの形を「中折叠」(ブック型と縦折りの中間)と命名
- チップ: 自社設計の玄戒O3(Xring O3)。TSMCの3nm、トランジスタ240億個超、世界初のLPDDR6対応。メモリは中国・長鑫(CXMT)製LPDDR6
- ヒンジ: 新世代の「龍骨転軸」。カメラは横長のバー型に3眼
- OS: Android 17ベースの澎湃OS 4
- 重さ: 非公開だが、盧偉冰社長は「小米の歴代ブック型折りたたみで最軽量」「閉じればパスポート大、片手に収まる」と説明。前作MIX Fold 4は226gだったので、それを下回る計算
- 電池: 6,000mAh、有線67W・無線50Wとの報道(未確認)
- 価格: 36氪によれば小米は販売店に「全モデル1万元超」と通知済みで、最も安いモデルで約1万2,000元(約28万円)の見込み(IT之家)
価格は前作MIX Fold 4の最低価格8,999元(約21万円)から33%の値上げです。小米のスマホで全モデルが1万元を超えるのは初めて。自社チップと国産LPDDR6という「国産づくし」の看板料込みの値付けと言えます。なお出荷計画はロイターの報道で20万〜30万台(The Next Web)。数を売る機種ではなく、9月4日に開幕するIFA(ベルリン)で小米が初出展の目玉に据える「見せる機種」です。
「中折叠」はAppleと同じ答え
ここで今年の折りたたみ6機種の画面サイズを並べます。

一目で2つのグループに分かれます。外側5.4〜5.5インチの「小さい折りたたみ」が、iPhone Ultra(噂)、小米18 Fold、Samsungが7月に出したGalaxy Z Fold8。外側6.5インチ・内側8インチの「従来型」が、Galaxy Z Fold8 Ultra、Honor Magic V6、vivo X Fold6です。中国の折りたたみ勢は2019年からずっと「閉じても普通のスマホと同じ大きさ、開けば8インチ」を追いかけてきました。小米はそこから外れ、Appleが選んだ(とされる)寸法にほぼ重ねてきたわけです。
盧偉冰氏はこの形を「次世代折りたたみの主流の選択肢になる」と予測しています。閉じたときに幅が広く短い、開けば正方形に近い。閉じた状態で「普通のスマホ」として完成させるのではなく、閉じた状態は小さく、開いた状態は本や手帳に近づけるという思想で、SamsungのFold8(無印)も同じ方向に振りました。Appleの発表前に、SamsungとXiaomiの2社が同じ寸法に寄せてきた。折りたたみが7年かけて辿り着いた「閉じたら普通のスマホ」という答えを、Appleが参入する年にひっくり返しに来ている格好です。
【結局、9月に買えるのか】折りたたみiPhone Ultraの発売時期を整理。2027年延期説は後退、ただし初回分は極少か
中国視点、補助金なしの「1万元超」対決
中国在住者として気になるのは値段です。小米18 Foldの1万2,000元は約28万円。iPhone Ultraは2,000ドル(約32万円)超と見られており、中国本土での価格は未発表ですが、iPhone 17 Pro Maxの米国1,199ドルが中国で9,999元(1ドル約8.3元換算)だった比率を当てはめると、1万6,000元台(約38万円)という推計になります。
中国政府のスマホ買い替え補助金(国補)は6,000元以下の機種が対象で、購入額の15%(上限500元)を国が持ちます。1万元を超える折りたたみは小米もAppleも対象外。どちらも補助金の後押しなしの真っ向勝負です。そして市場の現実は、IDCの2026年1〜3月期で華為60%、Honor 21%、小米はわずか4%(IDC)。小米18 Foldの20万〜30万台という出荷計画は、この4%の壁を最初から織り込んだ数字です。Appleも初回分は極少と報じられており、9月の中国の折りたたみ売り場では、華為の三つ折りが物量で、小米とAppleが話題で戦う構図になりそうです。
3日間で3つの折りたたみ、見るべきところ
9月7日から9日にかけて、三つ折り(華為)、中折叠(小米)、Apple初の折りたたみ(iPhone Ultra)が続けて出ます。見比べる軸は3つだと思います。
- 閉じたときの大きさ: 5.4インチ級(小米・Apple・Samsung無印)か、6.5インチ級(華為・Honor・vivo)か。折りたたみの「正解」が割れた年になる
- 自社チップ: 小米の玄戒O3はTSMC 3nm、華為の麒麟は国産プロセス、AppleはA20 Pro。3社とも他社のチップに頼らない
- 値段と補助金: どれも国補の対象外。1万元超の折りたたみを誰が買うのか、中国の消費者の答えが3週間以内に出る
Appleが折りたたみに参入する週に、中国の2社が2日前に先回りして発表し、うち1社はAppleと同じ寸法で勝負する。7年遅れて来た最後発の存在感が、先に出す側の日程と製品を決めている。それが今の折りたたみ市場の力学です。
とはいえ、折りたたみスマートフォンは値段があまりに高すぎるので、未だにアーリーアダプター或いはウルトラハイエンド(超マニア)向け市場と言わざるを得ないのが現状でもあります
記事は以上です。
(記事情報元:IT之家(小米18 Fold外観)、IT之家(発表会の重複)、IT之家(価格)、GSMArena、新浪財経(IFA出展)、The Next Web、画面サイズは各社公式とGSMArena)
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