発表まで1週間を切った【iPhone 18 Pro】の本体色について、リーカー同士の主張が真っ二つに割れています。新色のダークチェリーと淡いスカイブルーまでは各情報源が一致しているのですが、3色目が「黒」なのか「シルバー」なのかで、中国・微博(Weibo)の有力リーカーと、部品写真で知られるSonny Dickson氏が正反対のことを言っている。17 Proで「Proなのに黒がない」と嘆いた人が多かっただけに、これは小さくない論点です。誰が何を言っているかを並べ、Appleが黒を外した理由まで考えます。

誰が何を言っているのか
発端は9月1日、微博のリーカー「Fixed Focus Digital」の投稿です。18 Proは本格的な量産に入ったとし、色はダークチェリー・スカイブルー・黒の3色、シルバーは「ほぼ確実に」ない、返信の中で「中国ではシルバーの存在を示す証拠を見ていない」とも書きました。これが正しければ、17 Proの3色(コズミックオレンジ・ディープブルー・シルバー)が全部入れ替わることになります。
翌2日、Sonny Dickson氏がこれに応じる形で、18 Pro用だという3色のSIMトレイの写真を投稿しました。写っているのはシルバー・ダークチェリー・スカイブルー。黒はありません。同氏はMacRumorsに「ここ数ヶ月、この3色以外は見ていない」と語っています。ただ、同氏は5月に黒を含む4色のダミー機を公開しており、それを指摘されると「黒のダミーは毎年作られるが、Appleがもう好んで使う色ではない」と説明しました。
ここに至るまでの経緯も含めて、情報源ごとの主張を一覧にします。
| 情報源 | 時期 | ダークチェリー | スカイブルー | シルバー | 黒 / ダークグレー |
|---|---|---|---|---|---|
| ガーマン記者(Bloomberg) | 2月 | ○(深い赤) | - | - | - |
| Macworld(Pantone番号付き) | 4月 | ○ | ○(ライトブルー) | ○ | ○(ダークグレー) |
| Instant Digital(微博) | 4月 | ○ | - | - | ×(黒なし) |
| Sonny Dickson氏のダミー機 | 5月 | ○ | ○ | ○ | ○(黒) |
| Fixed Focus Digital(微博) | 9月1日 | ○ | ○ | ×(ほぼなし) | ○(黒) |
| Sonny Dickson氏のSIMトレイ写真 | 9月2日 | ○ | ○ | ○ | ×(最近見ていない) |
見てのとおり、ダークチェリーは6つの情報源すべてが一致、スカイブルー(ライトブルー)も5つが一致。割れているのは残り1〜2枠だけです。しかも中国のリーカー同士でも、4月のInstant Digitalは「黒なし」、9月のFixed Focus Digitalは「黒あり」と食い違っています。
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なぜSIMトレイが証拠になるのか、そして限界
SIMトレイの写真が根拠になるのは、トレイが本体色に合わせて塗装される部品だからです。ただ、ここで思い出しておきたいのは、米国やカナダで売られるiPhoneにはSIMトレイがないこと。物理SIMのスロットが残っているのは日本・中国・ヨーロッパなどの仕向け地向けだけです。つまりDickson氏のトレイは「物理SIMのある地域向け」の部品であり、Fixed Focus Digitalの「中国では見ていない」も、中国の生産ラインで目に入る範囲の話。どちらも供給網の一部を見て全体を語っているわけで、片方が嘘をついているとは限りません。
私の見立てはこうです。9to5Macも指摘しているとおり、スカイブルーはiPhone AirやMacBook Airの淡い青と同系統で、照明によってはほとんどシルバーに見える色です。Macworldが4月に報じたPantone番号でも、ライトブルー(2121)とシルバー(427C)は隣り合う淡い色。さらに「黒」と「ダークグレー(426C)」の境目も、ダミー機の粗い塗装では判別しづらい。色そのものより「呼び方」がずれている可能性がかなりあると思っています。3色か4色か、というところまで含めて、答えは9日です。
Appleはなぜ黒を外したのか
それにしても、iPhoneの最上位機種に黒がない、というのは昨年の17 Proが初めてでした。11 Proのスペースグレイ、12/13 Proのグラファイト、14 Proのスペースブラック、15/16 Proのブラックチタニウム。ずっと「黒っぽい何か」があった。Appleは17 Proでも黒とスチールグレーを検討したうえで両方を落としたと報じられています。
理由は売れ行きのデータにあります。調査会社CIRPによれば、17 Pro / Pro Maxの購入者の40%がコズミックオレンジを選び、無難なブルーとシルバーを上回りました。さらにさかのぼると、2022年の14 Proでは黒があったのにディープパープルが最も売れています。つまりAppleの手元にあるのは「目玉色を用意すれば、黒があってもなくても目玉色がいちばん売れる」という数字です。街で見かけたときにひと目で「新しいiPhoneだ」と分かるのは目玉色で、黒は誰のものか分からない。広告費のかからないマーケティングとして、Appleが黒を後回しにするのは理にかなっています。Dickson氏の「黒はAppleがもう好んで使う色ではない」という言葉は、そのまま受け取っていいと思います。
一方で、黒を待つ人の声は大きい。9to5Macがこの件で読者投票を始めるくらいです。数字のうえでは少数でも、黒を選ぶ人は「黒がないなら買わない」と言うタイプが多く、目玉色を選ぶ人は「なければ別の色でいい」タイプが多い。Appleが黒を戻すとすれば、それは色の好みの問題ではなく、この「買い控える少数派」の規模を計算し直したときでしょう。
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iPhoneの色の噂は、なぜ微博から出てくるのか
最後に、中国在住者として少しだけ。iPhoneの色に関する噂は、ここ数年ほぼ例外なく微博発です。Instant Digitalは2023年のイエローのiPhone 14や、iPhone 15の背面すりガラスを事前に当てた実績があります。理由は単純で、iPhoneの塗装も組み立ても中国(鄭州や深圳)で行われていて、量産が始まれば数十万人がその色を目にするからです。SIMトレイ1個が流出するのも同じ構造です。ただし今回のように、同じ供給網を見ている人同士でも言うことが違う。見えているのは全体のごく一部で、しかも「黒」と「ダークグレー」のような境界は、見た人の目と照明で変わります。
黒があってもなくても、来年もまた「黒が戻る」という噂から1年が始まるはずです。Appleが黒を出さない限り、リーカーの飯の種は尽きません。
※ちなみにSonny Dickson氏は中国のFoxconn(富士康)への納品メーカーや周辺グッズメーカー筋から情報を買っているというのは、私の深圳華強北で商売をやっている友人の話です(彼にも話を持ちかけに来たとのこと)。私もそれらの情報を知る立場にもなれるのですが、さすがにAppleから怒られるのは嫌なので、リーカーになるのはやめておきます。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、MacRumors、9to5Mac、MacRumors、購入データはSherwood News経由のCIRP)
※記事中の画像はイメージです。
