MacBook Pro Touch BarモデルやMacBook Air 2018のディスプレイフレキシブルケーブルに設計上の欠陥?最悪ディスプレイが表示されない問題に

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電子デバイスの分解で有名なiFixitが、MacBook Pro Touch Bar搭載モデル(2016年〜現在)やMacBook Air 2018年モデルの、ディスプレイと本体を繋ぐフレキシブルケーブルに設計の欠陥がある可能性があると指摘しています。それは、頻繁にディスプレイを開閉することでバックライト系のフレキシブルケーブルに疲労が発生し、結果としてディスプレイ表示不良を招くというもので、既に発生している人が複数いて、例えばMacRumorsには、こんな写真が寄せられています。

MacBookPro_display_issue

この問題のハードウェア的な原因は比較的単純です。まずは構造を見てみると、ディスプレイパネルとTouch Barの下にあるディスプレイコントローラボードの間をフレキシブルリボンケーブルで繋いでいるのですが、このケーブルがコントローラボードを覆っていて、それが一対のバネ付きカバーで固定されています。以下の写真の通りです。

macbookpro_touchbar_flexcable_02

まるでiPhoneのディスプレイを繋ぐフレキシブルケーブルのようです(iPhoneの中身を見たことがある人は頷くはずです)。そしてこれがディスプレイの開閉を繰り返すたびに曲げ圧力がかかり、短時間で引き裂かれる可能性が高いといえるほど、薄くて貧弱なのが問題です。そしてケーブルのうち1つはバックライト用ケーブルになっているので、これが引き裂かれ始めると上の写真のように表示に支障をきたし、そして最悪の場合、40度というごく小さい角度で開けたときに完全にディスプレイの表示が消失してしまうという状況を引き起こします。それでも外部ディスプレイは問題なく動くということなので、間違いなく本体のディスプレイケーブルの問題だといえるでしょう。

MacBook Proがデビューしたての頃は、設計に問題はなさそうに見えました。しかしやはり神(悪魔)は細部に宿るというか。。MacBook Proは薄型化のために、従来の堅固なヒンジとは違う構造になり、フレキシブルケーブルが開閉部分に巻き付くような形状となっていて、この構造がフレキシブルケーブルにとって頻繁な開閉に対する耐性を弱くしているとiFixitは分析しています。

macbookpro_touchbar_flexcable_01

そしてこの問題が最悪なのが、AppleはMacBook ProやMacBook Airを究極に薄く作るためと称して、フレキシブルケーブルをディスプレイパネルと一体化していることで、本来はフレキシブルケーブルだけを交換すればよく、原価としては数百円程度で済むことが、結局ディスプレイパネル一式を交換せねばならないため、数万円(600ドル、約6万円強)の出費になってしなうことで、これではお世辞にもユーザフレンドリーとはいえないですね。しかもそれが設計に起因するものだとすれば。。

Youtubeには、この問題でAppleに持ち込んだものの、修理してもらえなかったというLouis Rossmannさんが不満をぶつけた動画がアップされています。

この問題が人をイライラさせるのには、2つの原因があります。まず、1つは設計の問題です。AppleはMacBook Proの設計をここまで薄くしなければ、そして従来と同じヒンジ構造にしていればこの問題は避けられました。そしてもし現在のような設計が必要だったとしても、フレキシブルケーブルを取り外し可能なモジュラー式にしておけば、この問題は簡単に修正できたはずなのです。更に問題なのは、Appleはこの問題を認識していないか、また認識していたとしてもそれを認めたり、ユーザに意見を求めたり、ユーザに対して表明するのが非常に遅いということです。

一部のユーザはApple StoreのGenius Barに持ち込んでディスプレイを交換してもらったということですが、上記の動画のように、多くの人がAppleから修理を拒否されたということです。更に、この問題をある人が2018年9月29日にAppleのサポートフォーラムのスレッドを立てて相談しようとしたところ、Appleが10月8日にはスレッドごと削除したということがiFixitのフォーラムで報告されています。つまり、Appleによる故意な問題の隠蔽がなされていると捉えられてもおかしくないのです。

ちなみに昨年末にリニューアルされたMacBook Air 2018年モデルは、MacBook Pro Touch Bar搭載モデルとは全く同じ構造ではないものの、似たような脆弱性を持つことがiFixitによって指摘されています。そしてMacBook ProのTouch Bar非搭載モデルにはこの問題は発生しません。

iFixitでは、Appleがこの問題にちゃんと向き合うようにAppleに訴えかけるため、以下の記事で署名を集めています。そして記事更新現在、署名はかなり沢山集まっています。これは正に、”Flexgate”へと発展しそうな勢いです。

もし同じ問題にあたった人は、上記で英語ではありますが名前と内容を書き込んでみてはいかがでしょうか。私もMacBook Pro 2018モデルを購入したばかりで、とても不安です。家で使っている間はできるだけディスプレイパネルの開閉は避けようと思いました。。

Appleがこの問題に正面から向き合うことを、一ファンとして、そして一該当製品ユーザとして望みます。そういえば、上記のiFixitによる情報元記事には無印12インチMacBookについては触れられていませんが、あれも大丈夫なんでしょうか。。周囲に使っている人が多いだけに、気になります。基本的にMacBookも究極の薄型を目指しているだけに、同様の潜在的な危険をはらんでいるような気がしてなりません。

記事は以上です。

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